約 2,307,912 件
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1880.html
第六回「私のこと、愛してますか?」 時報「どうも、時報です」 日暮「日暮です」 日暮「今回の質問は"MMSを取り巻く環境はどんな状態ですか?"」 時報「これは結構ややこしい問題ですねぇ…(MMS入門を開く)」 MMSを取り巻く環境は薄暗い。 欧米圏においてはフランシュタイン・コンプレックスが存在し、当初MMSの普及率は低かった。 しかし2031年に武装神姫が発売、翌年にバトルサービスを開始した事により爆発的にユーザーが増加した。 ただその裏では、リアルバトルの度合を超えた賭け対戦が日常的に行われており、大きな問題となっている(その年齢層は20~30代) また、違法品の中枢部取り外し用器具が流通しており、素体の"使い捨て"が頻繁に行われている。 それとは別に、近年増加するMMS犯罪に過敏に反応し排斥運動を行う過激派集団も増加傾向にある。 日本国内においてはそれほど表立った問題は発生していない。 しかし、家庭レベルでは大きな問題が多数発生している。 世代を完全無視した、「ある」層である。 人、それを主婦と呼ぶ。 かれこれ80年ぐらい前、かの「月光仮面」が打ち切りになったのは(色々要因があったものの)親からのブーイングが原因である。 「仮面ライダー(一作目)」も「ウルトラマン80」もその他数えきれない作品群に対し何かと難癖つけて文句を言うPTAも、この問題にかかわっている。 "無理解"、これほど怖いものはないだろう。 中高生の親の中には、MMSが「心を持つ小さなロボット」と言う事を知らず「人形」として捨ててしまう者もいる。 私事となってしまうが、著者の甥にも「親がわかってくれなくて、捨てられそうだ」と相談を受けそれを仲介した事がある。 一部の主婦層は「MMSが居る事で引きこもりが増える」と言う、根拠不明の理由で学校へ訴え出る者まで出ている。 各市町村役場の相談内容はこれらのものが多く、相談員を戸惑わせている。 ここ最近(2036年4月時点)増加傾向にあるリサイクル店舗による「里親探し」もMMS犯罪の温床となるケースがある。 またリセット(分解)なしで引き取るため、絶対的な"約束"である「登録をしたオーナーとMMSの関係は絶対」と言うMMSの根本的思考パターンにも反する。 日本ならではの問題として、「野良MMS」というものがある。 これはオーナーと死別したなどの理由で、一人身となってしまったMMSが野良化(正しくはストリートチルドレンと言った方が正しいか)してしまうものを指す。 普及率の都合で、武装神姫の割合が多い。 通常の生物と異なり電気でしか動く事のできないMMSは、そのまま放置されていればバッテリー切れで「眠りにつく」。 あとは、朽ち果てるかバラバラにされる(あるいは良心的な人間に拾われて第二の人生を歩むか) 場合によっては、武装を所持している事もあり、凶暴化していた場合は十分な脅威になりえる。 神姫NETはこれをイリーガルと同レベルの危険対象として、発見もしくは捕獲した場合は速やかに最寄りの神姫センターに届けるのを推奨している。 日暮「野良MMS…ですか。そのうち本編にでてくるかもしれませんね」 時報「たぶん、ね。それにしてはこの本の著者はホントにMMSを愛しているんだね」 日暮「ミリオンセラーになるのも分かります。今回はここまで、また次回お会いしましょう」 神姫無頼質問コーナーに戻る 流れ流れて神姫無頼に戻る トップページ
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/704.html
鳳凰杯詳細設定 えぇ~鳳凰カップに多くの作品からのご参加に感謝しつつ、ちょっとまとめてみようと思いまして… 各作者様とのコラボ用のメモ代わりにしていただければと思います 参加者はまだまだ応募しておりますのでみなさまドシドシおこし下さい なお、バトル、ブース出店の追加参加、及び私の記入漏れなどありましたら各作者様での自主更新は自由となっておりますので皆さんのメモページとして自由にお使いください ここの設定に関する疑問、質問などは私のほうまでご連絡下さいますよう @神姫の父 鳳凰杯全体の基本設定 ・2035年から始まった鳳条院グループ主催の武装神姫バトルカップ ・春と秋の年二回開催されていてそれぞれ〈春の陣〉と〈冬の陣〉と呼ばれている ・会場は鳳条院グループ本社ビルから近いドーム状のイベント広場 ・2037 春の陣 の日程は三月の中旬、二日間にわたり開かれる ・イベント本部、総合会場案内所は鳳条院グループの企業ブースに設置してある バトルカップ基本設定 ・全試合バーチャルバトル ・リーグランクによるランク分けはない ・当日に違法改造及び違法パーツ使用神姫でないかの審査を受けなければならない ・抽選によりA~Pまでの十六組に分かれての予選リーグ(一日目) ・予選リーグでは各グループに二台ずつV.B.B.S.筺体の設けている ・予選リーグは全四回戦 ・予選リーグを勝ち抜いた者達による決勝トーナメント (二日目) ・決勝リーグでは超大型V.B.B.S.筺体を設ける ・決勝リーグは一回戦(八試合)が午前の部、二回戦(準々決勝)と準決勝と三位決定戦、決勝(合計八試合)が午後の部となっている ・午前の部が終了すると勝者八名での再抽選がおこなわれる ・毎年上位優勝者には多額の賞金と豪華副賞が送られる ・今回の 春の陣 副賞には東杜田技研と國崎技研より提供との申し出がある ちっちゃい物研・鳳凰カップ編-01 神姫ちゃんは何歳ですか? ・テレビ中継がおこなわれるのは決勝トーナメントから ・鳳凰杯での戦績はオフィシャルバトルライセンスのランキングポイントに加算される ・オフィシャルバトルライセンスがなくても参加は可能 ブース出店基本設定 ・武装神姫関係の各企業や研究所、私営の神姫ショップなどと協力しており、企業ごとのブースを設けることで、バトルをしない神姫ユーザーにとってもお祭り気分で楽しめる ・出店スタイルは自由 作品別バトルカップ参加者名簿 O=オーナー名/性別/登録リーグ(ファーストランカーは順位も)/予選グループ S=神姫名/タイプ/登録リーグ 橘明人とかしまし神姫たちの日常日記 O アルティ=フォレスト/女性/セカンド/グループA (決勝リーグ進出 S ミュリエル/ストラーフ/セカンド O 鳳条院 葉月/女性/セカンド/グループB (決勝リーグ進出 S レイア/ストラーフ/セカンド O 花菱 昴/男性/サード/グループJ (三回戦敗退 S ランスロット/サイフォス/サード O 水無月 香憐/女性/サード/グループM (四回戦敗退 S 孫市/紅緒/サード O 草薙 雄也/男性/セカンド/グループC (二回戦敗退 S リャン/ヴァッフェバニー/セカンド 神姫ちゃんは何歳ですか?&騎士子のヴァレンタイン大作戦 O 國崎 観奈/女性/ファースト72位/グループC (決勝リーグ進出 S ミチル/ストラーフ/ファースト O 斗小野 水那岐/女性/未登録(特別参加)/グループI (決勝リーグ進出 S 花乃/ジルダリア/未登録 O ???/男性/サード/グループ? S フランチェスカ/アーンヴァル/サード O 健ちゃん/男性/セカンド/グループK (四回戦敗退 S ナナミ/マオチャオ/セカンド 妄想神姫 O 槇野 梓/女性/サード(槇野 晶(女性/サード)の代理)/グループH (決勝リーグ進出 S ロッテ/アーンヴァル/サード 幻の物語 O 上岡 修也/男性/ファースト192位/グループP (決勝リーグ進出 S リュミエ/アーンヴァル/ファースト 凪さん家シリーズ O 凪 千空/男性?/サード/グループJ (決勝リーグ進出 S 弁慶/ハウリン/サード O 早坂 未来/女性/サード/グループ? S 義経/ストラーフ/サード O 渡瀬 美琴/女性/セカンド/グループO (決勝リーグ進出 S アーサー/アーンヴァル/セカンド O 柊 咲矢/男性/セカンド/グループG (決勝リーグ進出 S ハンゾー/マオチャオ/セカンド O 歌南瀬 クオウ/女性/サード/グループ? S 晴明/ジルダリア/サード アールとエルと O 陽元 治虫/男性/セカンド/グループL (決勝リーグ進出 S エル/ストラーフ/セカンド 武装神姫のリン O 藤堂 亮輔/男性/セカンド/グループF (決勝リーグ進出 S 燐/ストラーフ/セカンド 岡島士郎と愉快な神姫達 O 鶴畑 興紀/男性/ファースト54位/グループM (決勝リーグ進出 S ルシフェル/ストラーフ/ファースト O 鶴畑 大紀/男性/ファースト144位/グループE (決勝リーグ進出 S ミカエル/アーンヴァル/ファースト O 鶴畑 和美/女性/サード/グループO (四回戦敗退 S ジャンヌ/サイフォス/サード 魔女っ子神姫☆ドキドキハウリン O 鋼月十貴子/女性(現状、女装とはバレていない)/ファースト・ランキング圏外/グループK (決勝リーグ進出 S ジル/ストラーフ/ファースト 剣は紅い花の誇り O 川原 正紀/男性/セカンド/グループD (決勝リーグ進出 S クイントス/サイフォス/セカンド O 深町 昭/男性/サード/グループN (決勝リーグ進出 S ウインダム/アーンヴァル/サード Gene Less O 解体屋さん/男性/セカンド/グループP (1回戦敗退 S シビル/サイフォス/セカンド O 靴屋さん/女性/サード/グループP (1回戦敗退 S トゥールー/アーンヴァル/サード 対戦表メモ 一回戦 第1試合 書いた人:神姫の父 アルティ=フォレスト&ミュリエル(勝 VS 鳳条院 葉月&レイア 第2試合 書いた人:ぬえ 國崎 観奈&ミチル(勝 VS 川原 正紀&クイントス 第3試合 書いた人:リンのマスター 鶴畑 大紀&ミカエル VS 藤堂 亮輔&燐(勝 第4試合 書いた人:妄想の人 柊 咲矢&ハンゾー VS 槇野 梓&ロッテ(勝 第5試合 書いた人:優柔不断な人(仮) 斗小野 水那岐&花乃 VS 凪 千空&弁慶(勝 第6試合 書いた人:アールのマスター 鋼月 十貴子&ジル VS 陽元 治虫&エル(勝 第7試合 書いた人:ぬえ 鶴畑 興紀&ルシフェル(勝 VS 深町 昭&ウインダム 第8試合 書いた人:幻の人 渡瀬 美琴&アーサー VS 上岡 修也&リュミエ(勝 二回戦(準々決勝) 第1試合 書いた人:アールのマスター 鶴畑 興紀&ルシフェル(勝 VS 陽元 治虫&エル 第2試合 凪 千空&弁慶 VS 槇野 梓&ロッテ 第3試合 書いた人:神姫の父 アルティ=フォレスト&ミュリエル(勝 VS 上岡 修也&リュミエ 第4試合 國崎 観奈&ミチル(勝 VS 藤堂 亮輔&燐 作品別ブース参加者名簿 出店スタイル/企業名or店舗名/代表責任者名 橘明人とかしまし神姫たちの日常日記 本社製品展示、販売/鳳条院グループ/営業二課 渡辺 透 神姫ちゃんは何歳ですか? 國崎技研商品展示/斗小野グループ 國崎技研/國崎技研社長 國崎 悠人 展示内容(予定) ヘンデル及びグレーテルのデモ、体験 グレーテルを使ったお菓子作りコンテスト(優勝商品はグレーテル通常版) 審査速報 妄想神姫 オリジナルアクセサリー(※)展示、販売/MMSショップ“ALChemist”/槇野 晶 ※:パンフレット上の表記。実際は衝動的な種類の増加によって、 “アクセサリ”の枠に収まらない状況となっている。[by 妄想の人] 「数がそう多い訳ではない、売り切れる前に来る事だな。有無」 神姫“アルマ”ミニライブ(※)/“ALChemist”内部ブース“KEY.”/アルマ ※:特に進行役やスケジュールのない、ストリート風ゲリラライブ。 初日午後、二日目午前と午後の計三回+αを予定します。[by 妄想の人] 「えっと……精一杯唱ってますので、一度聴いてみて下さい!」 凪さん家シリーズ 喫茶店/喫茶店『LEN』/真凪 京都 『LEN』所有の大型トレーラー型移動店舗「轟号」(ごうごう)を二日間(前日乗り入れのため都合三日間)にわたって使用。 形式は可動式トレーラーコンテナをキッチン兼住居とし、オープンカフェとなる。 コンテナを下降させているので本店さながらにカウンタも設置されている。 :臨時のアルバイトさん募集中!!(元からいるアルバイトが時間によって大会出場等でいなくなったりするため) 条件 期間~大会期間中 形態~接客等 時間~一時間~応相談 三食食事、休憩有り 大会期間中の轟号への泊り込み可能。(遠方の方は泊り込み推奨、最大三泊四日~四泊五日) 大会開始前と大会終了後の送り迎え有。 京都「そうね…関西くらいまでなら前日に迎えに行って、終わったらお家まで送ってあげる」 レン「うむ」 時給1200~1500円以上(売り上げと頑張り次第で上昇も???) 『LEN』お食事割引券配布 アルバイトとして(凪千晶、白羽玖乃以外は全員短時間+大会出場) 凪千晶 、凪千空 、渡瀬美琴 、早坂未来、柊咲矢、 クオウ歌南瀬 、白羽玖乃 臨時アルバイトとして 青葉かすみ幻の物語 を登録済み。 「byチアキの人」 戦うことを忘れた武装神姫 出展企業名:東杜田技研 出展形式:4セクション使用・展示および物販 ほか (詳細はこちらをご参照ください) 出展責任者:Dr.CTa(東杜田技研・小型機械技術研究製作部) 剣は紅い花の誇り 出展店舗 魔剣匠工房『鬼奏』 出展責任者 神浦琥珀 武装神姫用の刀剣の展示、販売 注 在庫は無し、展示されている一振りずつのみ。全て売切れの時点で撤退 お気軽に、ただしお早めにお越し下さい ラインナップ 徒然続く、そんな話。 出展パフォーマンス サーカス『四堂』 出展責任者 獅堂麻遊利 神姫、人間、動物によるパフォーマンス。 13:00から屋外特設テントにてイベント開始。 神姫と人間の空中ブランコなど。 その他大手企業 武装神姫・企業一覧 EDEN-PLASTICS 島田重工 BLADEダイナミクス カサハラ・インダストリアル 篠房製鉄、六郎製作所 GOLIフューチャーデザイン バイオエンジニアリングOKAMA (株)柳瀬建機 *オフィシャル武装神姫第六弾の先行展示も行われております。 その他アマチュア参加 アマチュア・個人製作武装一覧 『F-Face』 三屋八方堂 ??? EXECUTION アメリカ、ロサンゼルスより違法神姫調査官が緊急来日。 一般人の関与を一切禁ずる。 メインページへ
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1039.html
双子神姫 「(c) 2006 Konami Digital Entertainment Co., Ltd.当コンテンツの再利用(再転載、再配布など)は禁止しています。」 著:小山田喜久子 注意:18禁表現やグロテスクな表現が含まれます。気をつけてください。 コラボ大歓迎です。 ですが、人間や神姫が死ぬのはちょっと遠慮してください。(すいません) 後、この物語の神姫は特殊な神姫です。(特にアンジェラスが…) 扱いが難しいかもしれません。 武器も主人公が作った武器を使います。(完璧に違反ですね) 1024×768ピクセル以上の画面であれば画像が下に下がる事はないと思います。 よろしくお願いします。 人間紹介 武装神姫紹介 違法改造武器紹介 舞台紹介 更新予告&履歴 最新更新履歴:弐千九年四月九日零時四拾九分 …約半年間更新が途絶えてしまいました。 原因はHDがイってしまい、更にバックアップの外部HDもオジャン。 『双子神姫』を読んでくださっている方々に申し訳ありません。 そしてコラボの方どお世話になっているミヤコンさん・ALCさん・土下座さんに 申し訳ありません。 連絡用のアドレスは予備用外部HD二個目に保存されたいた事に気付き近々連絡しようと 思っております。 最低でもストーリー完結とコラボ完結を目標に頑張ります。 更新は不定期に致しますので予告は…しない方が自分の為なのでしません。 長い言い訳になってしまいましたが、これを読んでくださった方に感謝です。 ストーリー更新状況。 第伍章第壱節100%画像製作弐枚完了 第伍章第弐節15%画像製作中 外伝ストーリー更新状況。 第伍話中篇60%凍結するかも… 第伍話後編60%凍結するかも… コラボ更新状況。 第伍作品全体60% ストーリー 少し頭が良い大学生が身内からバイトの話があった。 その青年の大学生はあっさりバイトを承諾。 そしてそのバイトをやったせいで青年の人生が大きく変わる。 四人の神姫との生活が、今…はじまろうとしている…。 序章 序章 第壱章 第壱章第壱節:こんな出会いもありか? 第壱章第二節:武装神姫についてと俺について 第壱章第参節:姉貴の会社に行ってみるか 第壱章第四節:奴が来た!? 第壱章第伍節:夜、二人きりで行くにはムードが無い場所だな 第壱章第六節:喰われた!18禁です。 第壱章第七節:表の世界の戦闘選択肢あり。 第壱章第八節:裏の世界の戦闘選択肢あり。グロテスクです。 第弐章 第弐章第壱節:文化祭って、こんなだったけ? 第弐章第弐節:夢の中で…其の壱 第弐章第参節:ストラヴァル&ストレガの誕生だぜ 第弐章第四節:夢の中で…其の弐 第弐章第伍節:あれ?俺のが無いぞ?? 第弐章第六節:夢の中で…其の参 第弐章第七節:どうでもいい話し合いと、真面目な話し合い 第弐章第八節:夢の中で…其の四 第弐章第九節:2VS2!さぁ、バトル開始だ!!選択肢あり。 第弐章第拾節:夢の中で…其の伍18禁です。 第参章 第参章第壱節:もう一人のアンジェラスグロテスクです。 第参章第弐節:Hacking! 第参章第参節:イリーガル・レプリカ迎撃指令 第参章第四節:Vier 第参章第伍節:イリーガル・レプリカ迎撃指令…アンジェラス編 第参章第六節:Drei 第参章第七節:イリーガル・レプリカ迎撃指令…ルーナ編 第参章第八節:Zwei 第参章第九節:イリーガル・レプリカ迎撃指令…クリナーレ編 第参章第拾節:Eins 第参章第拾壱節:イリーガル・レプリカ迎撃指令…パルカ編 第参章第拾弐節:Schatten Eins 第参章第拾参節:イリーガル・レプリカ迎撃指令…シャドウ・アンジェラス編 第参章第拾四節:楽しい日々の終焉 第四章 第四章第壱節:{離別と愛}選択肢あり。BL18禁です。フラグ。 第四章第弐節:覚悟と決断選択肢あり。フラグ。 第四章第参節:強攻と突破! 第四章第四節:アンジェラスとシャドウ・アンジェラス 第四章第伍節:デジタルとアナログ作戦開始! 第四章第六節:パルカとライフフォース 第四章第七節:クリナーレとネメシス 第四章第八節:ルーナと沙羅曼蛇 第四章第九節:アンジェラスとGRADIUS 第四章第拾節:脱出! 第伍章 第伍章第壱節:双子神姫 sVSシャドウ・アンジェラス 外伝ストーリー 外伝ストーリーは主にギャグ&エロで構成されたお話しです。 ですが、たまにストーリの重要な部分も出てきます。 第壱話:セーラー服っていいよね~ 第弐話:こんな違法改造もあり 第参話:俺の昔のバイトについて 第四話:パルカの趣味を訊いてゲンナリする俺… 第伍話:アンジェラスと水入らずの旅行(前編) 第伍話:アンジェラスと水入らずの旅行(中編) 第伍話:アンジェラスと水入らずの旅行(後編) 第六話:皆の脳内 第七話:煙草がぁーーーー!?!? 第八話:if、皆がヤンデレだったら…選択肢あり。グロテスクです。 第九話:俺と武器達の会話 第拾話:雪の日に思い耽るBL?18禁です。 第拾壱話:かくれんぼ(前編) 第拾壱話:かくれんぼ(後編) 第拾弐話:全前翼のビッ○バイパーと俺の悲劇 コラボ作品 優柔不断な人(仮)さんとのコラボです。 ↓ コラボ第壱作品:武装神姫の理解違いと人間の理解の違い18禁です。 ミヤコンさんとのコラボです、リレー小説です。 ↓ コラボ第弐作品:クラブハンドVS双子神姫~真夏の大決戦!ポロリはないよ!!~ ミヤコンさんとのコラボです。 ↓ コラボ第参作品:クリスマスイブにバイトってどうゆう事!? ALCさんとのコラボです。 ↓ コラボ第四作品:鋼の心~Eisen Herz~VS双子神姫~学生同士の大決戦!勿論ポロリはないよ!~ ミヤコンさん、土下座さん、ALCさんとのコラボです。 ↓ コラボ第伍作品:High School Of The Armed God Princess 最高 225 今日 - 昨日 - 合計 - 感想・ご意見、お待ちしております。 テスト -- 喜久子 (2007-06-28 21 21 24) ぇーっと、重箱の隅を突くようで申し訳無いのですが;理解の違いの中で『せ』が『そ』になってる部分がありました、敢えてでしたらスイマセン; -- 名無しさん (2007-09-29 17 37 45) 解かりました。すぐに修正しますね。 -- 喜久子 (2007-09-30 18 49 10) インフィニティすかっww 俺はライトっすよww -- アコ (2007-11-02 02 26 00) 突然ですが、差し出がましい事を申します。 御自分の作品にスクリーンショットを掲載されるのでしたら、神姫NET公式ホームページの、 「神姫NET著作物利用規程」を再読されてから、よくお考えになってくださいませ。 -- 名無しさん (2007-11-24 21 09 49) 分かりました。 再読してみますね。 -- 喜久子 (2007-11-26 03 25 09) ■著作物の加工 サムネイルとして使用する目的で加工(保存形式・解像度およびサイズの変更)することのみ許可いたします。 -- 名無しさん (2007-12-01 14 39 02) 指摘、ありがとうございます。 神姫NET著作物利用規程に従い直ちに加工した画像の表示をやめます。 加工の所を見落としてました。 -- 喜久子 (2007-12-01 17 52 43) 誤字修正程度で一々上げるな -- 名無しさん (2008-04-22 12 17 38) すみません、次回から気をつけます。 -- 喜久子 (2008-04-22 13 41 44) 誤字脱字が相当多いです。呼んでて不快感すら感じるほどです。せめて誤字脱字のチェックくらいはしてください。あと文法的におかしいところがいくつもあります。自分も言えた義理ではありませんが、もう少し日本語を学ばれてはいかがでしょうか。 -- 名無しさん (2008-04-27 23 48 17) 指摘、ありがとうございます。一応、文が出来た時に二回誤字脱字チェックしているのですが…。 それでも自分の見落としや至らない点がまだあります。 本編進めるよりも、今までの文を見直ししようと思います。 -- 喜久子 (2008-04-28 05 57 40) この作品すごく気に入りました。もっと書いて! でも誤字脱字多すぎ。 -- yamada (2008-06-06 12 41 32) 喜久子俺を食べて!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! -- 名無しさん (2008-06-06 12 44 59) 気になったのでその部分をコピペします その時、大きな試験管の容器に亀裂がしょうじた しょうじたが平仮名になっているのはあえてでしょうか? -- 名無しさん (2008-07-08 21 14 54) ゲッ!これは完全に入力ミスです。 すぐに修正を行います。 教えてくださって、ありがとうございます。 -- 喜久子 (2008-07-08 21 46 13) おつ( ^ω^)今ラストまで読み終えました 続きに期待!フォーマットナイフの画像も希望する! -- ブーン大好きっ子 (2008-07-21 09 33 00) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/6359.html
不思議の国のラビリンス 【ふしぎのくにのらびりんす】 ジャンル ダンジョンRPG 対応機種 ニンテンドー3DS(ニンテンドー3DSダウンロードソフト) メディア ダウンロード専売ソフト 発売・開発元 ライドオンジャパン 発売日 2016年2月10日 定価 648 円 プレイ人数 1人 レーティング CERO A(全年齢対象) 判定 良作 ポイント 冒険酒場の続編でそれらしさも有りやさしめな難易度微妙にトルネコっぽい所も 不思議の国シリーズ不思議の国の冒険酒場 / 不思議の国のラビリンス 概要 システム 評価点 問題点 総評 余談 概要 『不思議の国の冒険酒場』の番外作品としてリリースされた、ダンジョンRPG。 ストーリーは『冒険酒場』の続き物で、前作の仲間の一人であったリーディアが「ラビリンス」と呼ばれる不思議のダンジョンに挑戦していくという内容。 トルネコシリーズと似た部分が多く、それを意識した要素が多い。 システム 基本的にダンジョンRPGと同じものとなっている。 不思議のダンジョンに該当する「ラビリンス」を突破するのが目的となる。アイテムは自由に持ち込みが可能。 戦闘時に戦闘アニメが挿入するのが特徴。設定で高速にしたり、なしにすることもできる。 モンスターの巣に入ったり、満腹度が一定値以下になるとキャラ絵が表示され、セリフで知らせてくれる。 冒険酒場と同じく「料理」のコンセプトも健在。 ダンジョン内に落ちている材料を組み合わせて料理を作ることで料理を持ち込める。いずれも「満腹度回復+特殊効果」を持っている。 料理は冒険酒場のヒントレシピと同様に、穴あきになったレシピを頼りに対応する食材を埋めていく形になっている。 効果はどれもそのフロア限定ではあるが、材料と容量がある限り何個も持っていける。 前作にあった料理効果そのものであり、シレンで言うところの「特製おにぎり」の効果が選べるバージョン、といえばわかりやすいだろう。 一度「ラビリンス」を突破すると、もっと不思議に該当する「アビス」が出現する。薬・書物が未識別状態になり、マイナス効果を持つアイテムが出現するのも同じ。 また、一度でも「アビス」に入ると、魔法を使えるアルフィネ、必殺技が使えるカメリナが使用可能になる。性能が違うため、リーディアとは違った攻略法が必要となる。 アルフィネは剣・盾・矢が使えない代わりに、満腹度を消費して魔法を使うことができる。魔法はレベルアップしたり本を読むことで覚えられる。 カメリナは指輪・杖・本が使えない代わりに、HPを消費して必殺技を使うことができる。特定の条件を満たすと一定確率で覚えられる。本が使えないのでダンジョンから脱出するには「大脱走」を取得する必要がある。 いずれも、魔法・必殺技はその冒険限りで、ダンジョンから出ると忘れてしまう。トルネコ2にあった、魔法使い・戦士と似たようなキャラクター性能となっている。 この二人の専用ダンジョンも存在し、さらにこれを突破すると…。 評価点 ダンジョンRPGの基礎としては十分できている。 アイテムやモンスター、罠もダンジョンRPGとしては基本的なものが揃っている。 武器・防具・指輪の合成システムも健在。強化値が増えるのも同様で、特殊効果は3つまでなら自由に付け替えができる。 モンスターハウスに該当する「モンスターの巣」も健在。遭遇時にはキャラのセリフ付き。 整備というシステムが登場しており、同じ杖の使用回数をまとめて1つの杖にできる。武器・防具も同種の物ならまとめることができる。 優しい調節が多いバランス 装備品以外は呪われて出現することもなく、そのアイテムが呪われることがない。 罠は一度でも発見済みになれば、自分から「足元」から選んで踏むまで効果は発生せず、罠は一回起動すると壊れる。再度、同じ罠にかかるという状況は起きにくい。 また、一部の罠は周囲一マスにいたモンスターにも被害が及ぶ。睡眠ガスを踏んだら隣にいたモンスターに一方的に攻撃された、なんて機会はあまり起きない。 全てのアイテムを持って脱出できる「生還の書」の入手機会が多いため、危ない時にも帰れる可能性が高い。さらには「ラビリンス」11階では確定で落ちている。 特に行商人は5の倍数のフロアで必ず出現するので、アイテムの売買が容易に行える。拠点の街でも武器・盾が強化できるアイテムを売っている。 「ラビリンス」は持ち込みが自由なので強力な装備を整えることで、初心者でも難なく突破できる。 長い間階段を下りずに同じフロアにいるとモンスターの沸きで停止し、さらに経過すると強制的に次のフロアに行ってしまうだけで、冒険失敗にはならない。 手持ちアイテムを失うことがほとんどない。 シレンでいう「にぎり変化」や「ケンゴウ」にあたる、アイテムを破壊・変質させる敵が存在しない。 食料に「腐る」「焼ける」などの概念がなく、もちろんそういった罠も無い。よほど運が悪くない限り、食料に困ることはないはず。 料理システム 前作プレイ済みのプレイヤーにはちょっと嬉しい機能であり、前作をプレイ済みだと少し有利になる。 それなりの満腹度回復量を持つものが多く、経験値アップや各種状態異常無効と言った効果が多い。 その他細かい評価点 隠し要素があり一定回数以上、街で合成するとコスチュームが解放される。リーディアの外見を変更できる。 冒険酒場では特定の装備品をそろえることで変化するというものだったがそんなことはなく、いつでも自由に変更できる。 冒険酒場にもあった、パロディやネタが満載の各種説明文は今作でも健在。 前作に登場した仲間キャラは全員登場する。 特に前作の時点で、異様な印象を与えたカメリナがプレイヤーキャラに昇格したのは高評価。 問題点 不親切なインターフェイス スライドパッド使用不可、「名付ける」でタッチでの文字入力ができない、状態異常になっている間はダッシュ不可、足元に階段があるときにBボタンを押すとアイテム表示より階段の動作が優先される、といった不便なところが多い。 特にスライドパッドは前作で普通に使えた上に、ダンジョンRPGということもあり斜めに操作する動作が多く、十字キーだけだと満足な操作ができない。 通常攻撃はAボタンに割り当てられているが、隣接した敵の居る方向への十字キー入力でも行うことが出来る。この機能自体は便利と言えるが、オフに出来ないので、ピンチの時に焦って通常攻撃が暴発して冒険終了・・・という危険も有る。 持ち物が24個までしか持てない それに加え、壺に該当するアイテムが登場しない。本作では有効なアイテムが多く、近年のダンジョンRPGでは上限の増加傾向が多いため、24個までという持ち物制限は少しきつい。整備も同種の杖・武器・盾しか行えない。 特に本が読めない、カメリナが問題。有用なアイテムである「合成の書(*1)」や「復旧の書(*2)」が使えないため、使うにはダンジョンを脱出するまで持ち歩かなければいけない。 合成も一度に同じ部位のもの2つまでしかできない。各装備に目標の特殊効果や強化値をつけたい場合、合成に必要な「モフチケット」「合成の書」を何個も用意する必要がある。 ちなみに、倉庫に預けられる数は140個で、拡張などはない。合成用の装備品を集めたり、料理を作ったりしてるとあっという間に埋まる。 ダンジョンに関する問題点 「ラビリンス」の序盤は通路が多く、無駄に満腹度を消費してしまうことも多い。 突入時に既に持っていた杖は識別済みと判別され、未識別の状態で落ちていることがない。一部ダンジョンの中間地点では、全てのアイテムが識別される。 また行商人から買えるアイテムは、すべて識別された状態で売られている。 落とし穴の罠を踏むと突然画面切り替わって次のフロアに行くので、何が起こったのかわかりづらい(*3)。 序盤から倍速で移動する敵が登場する。この敵はラビンリス・アビスの両方とも出現し、アビスに至っては強化版が序盤から少し進んだ後にも登場する。 初期の不思議のダンジョンシリーズにあった、通路の出入り口に罠がある仕様もある。こちらでは発見済みにすれば罠にかかることはないため、その分マシにはなっている。 バリエーションの少ない敵モンスター 本作には様々なモンスターがいる……ように見えて、実はバリエーションが非常に少なく、ほぼ全てのモンスターが「隣接していると不利な効果を与えてくる」「少し離れた直線上からダメージ攻撃をしてくる」「特殊能力が無いがステータスが高い」のいずれかに分類される。 よって、モンスターに対する対策がパターン化しがち。一部上記に当てはまらないモンスターもいるが、容易に倒せるか、他のモンスターの対策ついででなんとかなる。 序盤の、対策アイテムが揃っていない段階では苦戦する事もあるが、ある程度道具が揃ってくると、非常に簡単。不思議のダンジョンシリーズにある「専用の対策が必要な敵」や「緊張感を保つ超強敵」と言うものは存在しない。その割にラビリンスやアビスは100Fもあるため、後半は大きく緊張感が薄れ、作業となってしまう。 基本的には、面倒な罠である「サビ」と「ちから低下」、唯一遠距離から状態異常を発生させる「混乱」、使用する敵が倍速である「窃盗」の4つが重要な対策とされている。この4つを揃えてしまえば、あとは惜しまずアイテムを使って敵を近づけずに勝つだけである。また、この4つが無くても容易にリカバリーが効く。 料理について 料理効果の中には「鑑定眼(*4)」「回復薬効果2倍」といった、効果が強すぎる料理も存在もする。強力な効果ほど、貴重な素材を使うのでバランスはとれている。 「回復薬効果2倍」に関しては、本当に回復薬のみしか効果がなく、体力の薬などには適用されない。 同じような料理効果を持つ料理が多く、水増し感が多い。単に、満腹度の回復量が上がっているだけのも多い。 前作同様に、料理効果がない料理もある。 材料の入手もランダム要素が多く、なかなか手に入りにくい物やモンスターからドロップしないと手に入らないものもある。 そもそもローグライクというジャンルと、RPGである前作から引き継いだ料理システムが致命的に噛み合っていない。 アイテム持ち込み不可のダンジョンには当然料理を持っていくことはできない。 持ち込み可能なダンジョンでも、序盤では意味が薄く、終盤に使おうとするならば数少ないアイテム欄を圧迫し続けることになる。 ダンジョン内で得た食材をその場で調理できるのなら、活用しがいもあったのだが…。 料理を使用するイベントや隠し要素等は一切ない。実用性が薄いのもあって、完全な空気システム。 高めの難易度の専用ダンジョン カメリナ専用の「剣王の訓練所」というダンジョンは、訓練所という名前に反して高い難易度である。 アイテムの持ち込みも不可能であり、序盤のアイテム運や経験値稼ぎが必須となっている。「大脱走」や、稼ぎに重要な「福引拳」「高楊枝」「ご招待」などを覚えられるかによって、安定率が差が出る。 ラビリンスと異なり、レベルを下げてくる敵が出現するため、速攻で倒さないと不利になってしまう。幸い、その敵を一撃で倒せる必殺技は覚えられるので、覚えれば対策は容易。 魔法と必殺技の調整が今一つでバランスブレイカー級の技が多い アルフィネは先述した通りに満腹度を消費して魔法を唱える事が可能だが、この中に「ベーカリー」と言う魔法がある。この魔法は「満腹度25を消費して、アイテム1つをパン(満腹度50回復)に変化させる」と言うもの。つまり、この魔法さえ覚えてしまえばアイテム1つ=満腹度25回復となるので、魔法が使い放題になる。 一応、アイテムが無くなるとパンが作れなくなるが、そこまで足りなくなる事はほぼない。ベーカリーと、最低限の戦闘用魔法さえ習得すれば、その時点で難易度は大幅に減少する。敵の気配を察知するウォッチャーによって通路での鉢合わせを回避出来るようになれば、その時点でほぼクリア確定と言っても過言ではない。救済措置と考えてもあまりにバランスブレイカー過ぎる。 ベーカリーの習得には、「それほど珍しくはないが、毎回出るほどではない」と言うレベルのアイテム「食料の書」を必要とする。つまり、食料の書を拾えるかどうかで難易度が雲泥の差。 レベル50で習得する「ジオファンタジア」と言う魔法は敵1体をロップと言う味方モンスター(こちらを攻撃せず回復してくれる)に変化させる物であり、あらゆるモンスターに通じる事実上の即死魔法。その上、倒すと必ずパンを落とすため満腹度が絶対尽きなくなり、もはや「途中で力尽きる方が難しい」と言う域に突入する。レベル50は、専用ダンジョン「賢王の訓練所」(全28F)でこそ間に合わないが、ラビリンス深層やアビス(全100F)なら半ばで達成出来てしまい、残り半分は完全な作業プレイと化す。 カメリナはHPを消費して必殺技を繰り出すことができるが、その中に「高楊枝」という技がある。これは「そのフロアでの満腹度が一切減らなくなる」というもの。 強力な効果ではあるものの多くのHPを消費することもありこれ自体は壊れではない……が「ダンジョンでターンが経過すると強制的に次のフロアに行く」という仕様があることがまずかった。つまり満腹度を消費することなく足踏みをしているだけでそのフロアをパスできてしまうのである。 自然発生する敵も、敵を麻痺させる技「影踏み」で部屋の入り口を封鎖してしまえば近寄ってこれない。条件さえ揃えてしまえば、「影踏みで入り口を封鎖→高楊枝を使う→ひたすら足踏みする」でどんなフロアもクリアできてしまう。 もっともカメリナは敵が強くなってくる後半のフロアでの立ち回りが非常に苦しくなるため、このテクニックを使わないと厳しいという側面はある。クリア後ダンジョンでは使わざるを得ない場面も結構多い。 クリア後イベントの欠如 クリア後のダンジョンの殆どは、クリアしてもイベントが発生しない。あったとしても極僅かであり、クリアの証といったものも存在しないため、やりがいが薄い。 特にEXダンジョンは最深部の50Fまで潜ってもイベントは特に発生しない。50Fまで潜っても、あるのは脱出用のワープゾーンのみ。 また、前作にも登場したエーリアスが他のキャラと比べて登場回数が少ない。あるイベントでしか登場せず、その後は一切登場しなくなってしまう。 出番が少ないキャラはミリヤも同様だが、こちらはEXダンジョン登場時に初登場し、その後はEXダンジョンの中間地点に存在し会話することもできる。 それでも登場まで時間がかかることや、前作では使えるまでも期間がかなり後で微妙な存在だったため、救済が欲しかったと思う人もいる。 難易度がかなり低くバランスブレイカーも多いため、ローグライク経験者には簡単すぎて飽きてしまいやすい。破壊的素潜り(*5)は結構難しいのでこれに挑戦してみるのも一興だろう。 キャラクターやモンスターなど、殆どの素材は前作から流用している。 BGMの一部も前作と同じものが使われているものがあるが、拠点の「首都マンスハイム」以外はイベントで1回くらいしか聞けないBGMが大半が占めるため、使われ方は悪くない。 EXダンジョンでは前作のダンジョン物が流用されているが「そのBGMが使われたダンジョンがラビリンスになった」という理由がある。 総評 低価格ながらダンジョンRPGの基礎をおさえ、冒険酒場を意識した「料理」システムを導入しつつ、どこか懐かしさを感じさせる作品。 難易度が非常に低いため、不思議のダンジョン経験者にとってはかなり物足りないが、入門編としてならおすすめのソフトである。体験版があるので、そちらから試してみるのもいいだろう。 余談 原作である『不思議の国の冒険酒場』は後にSwitch/PS4でも配信されたが、こちらの配信についての表明などは現在時点では存在しない。 現在は3DSのニンテンドーeショップのサービスが終了し、現行機種でもプレイ可能な『冒険酒場』とは違いプレイが困難になっているため、こちらの配信も望む声もある。
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/414.html
妄想神姫:メインメニュー 注意 本作品は“突飛な設定”の類を多分に含有しております。 意図的に行っているので、その手の要素を苦手とする方は 閲覧に細心の注意を払って下さいます様、お願いします。 あらすじ 登場人物紹介 本編 外伝 後日談 各種解説 おまけ 協力・引用 あらすじ アキバの隅にMMSショップを構える幼女店長、槇野晶。 彼女の側には“妹”と言うべき、三人の武装神姫がいた。 長女“アルマ”と、次女“ロッテ”に、三女“クララ”。 これは、そんな姉妹のマッドで百合気味な日常とバトル、 更に武装神姫を逸脱気味なメカを、妄想のみで綴るお話。 登場人物紹介 登場人物MMSショップ“ALChemist” ライバルの神姫達 黄昏よりの使者+α(ネタバレ有り) 本編 序章 「苛烈なる少女?と、目覚めし神の姫」 第一章 「晴れた日には、2人でそぞろ歩きを」 第二章 「サムライ男に見る、最近の犯罪事情」 第三章 「戦乙女は、かく降臨せし」 前半/後半 第四章 「私と彼女、小さな小さな“幸せ”を」 第五章 「“職人”として、私達にできること」 第六章 「世に一人しかいない、あなただから」 第七章 「天の妙なる響きに、しばし身を委ね」 第八章 「総てを司る、脆き神の姫」 前半/後半 第九章 「哀れなる傀儡に、祝福を」 前半/後半 第十章 「再誕せし、哀しき神の姫」 前半/後半 第十一章 「神は降りて、姫とならん」 前半/後半 第十二章 「新たに産まれ落ちた、その意味を」 第十三章 「適材を誂え、適所に与え」 前半/後半 第十四章 「自らの成せる事を、為したいから」 第十五章 「暗き過去に、深き眠りを」 前編/中編/後編 第十六章 「叡智を刃に、想いを力に」 前編/中編/後編 第十七章 「その御名は、誇りと想いと麗しの」 第十八章 「我が意思よ、より遠くより高みへ」 第十九章 「手織り、羽織り、慈しみを込めて」 第二十章 「働いた“妹”の、心意気に触れて」 第二十一章 「真っ直ぐに学び、ひたむきに語り」 第二十二章 「可愛いという事実は、罪にも似て」 第二十三章 「春爛漫とは、“全て”が花開く時」 第二十四章 「翼を持つ、姉妹達の絆を確かめて」 第二十五章 「舞い踊る、白鳥の乙女達」 前編/中編/後編 第二十六章 「職人気質は遺伝か、努力の賜物か」 第二十七章 「剣よ集え、神なる姫の元」 前半/後半 第二十八章 「和の心とは即ち、着物に宿る物也」 第二十九章 「和の心とは即ち、居住まいに宿り」 第三十章 「次女の生い立ち、遠くて近き過去」 第三十一章 「剣の目覚めは、未だ遠く」 前半/後半 第三十二章 「葉の香り、初夏に麗し四人の姉妹」 第三十三章 「約束されし、王妃の宝剣」 前編/中編/後編 第三十四章 「剣の王妃、戦場を去れば神の姫君」 第三十五章 「疲れた時は、玉を磨いて」 前半/後半 第三十六章 「禍つ刃を抜き、競う白日」 前半/後半 第三十七章 「妖精の騎士、その御印は虹の如し」 第三十八章 「成長、戦乙女を護る騎士」 前半/後半 第三十九章 「星空に想うは、遙か遠けき人の影」 第四十章 「蒼天にて、星を描きし者」 前編/中編/後編 第四十一章 「紅き星の下、月を臨む者」 前編/中編/後編 第四十二章 「翠の月を越え、天翔る者」 前編/中編/後編 第四十三章 「晩夏の空に響くは、遙かなる凱歌」 第四十四章 「旅立ちて、待つは永き野の松が本」 第四十五章 「山と森の台、響く神の音」 前半/後半 第四十六章 「雷帝の御剣、神殺しの槍」 前編/中編/後編 第四十七章 「変わり往く者達、帰り往く少女達」 第四十八章 「遙かに見据えし巨神の宴」 前半/後半 第四十九章 「騎士姫と、覚醒せし鋼竜」 前半/後半 第五十章 「そして姫を護る、神竜へ」 前半/後半 第五十一章 「猛り狂いし、地を灼く竜」 前編/中編/後編 第五十二章 「天より降りし、白霜の竜」 前編/中編/後編 第五十三章 「樹海の如く、業の深き竜」 前編/中編/後編 第五十四章 「輪舞曲を踊る姫達と、暖かき宴を」 第五十五章 「僅かな慢心、産まれた闇」 前半/後半 第五十六章 「そして大切な物と、見出したる光」 第五十七章 「光の刃と、真心の白き翼」 前編/中編/後編 第五十八章 「真心と、惑いし想いの、その先に」 第五十九章 「主の無き華と、新しき風」 前半/後半 第六十章 「新しき波浪と旋風の、前にある物」 「新しき風と、揺れ動く錬金術師達」 第六十一章 [第一節:契機]/[第二節:烙印] 第六十二章 [第三節:探求]/[第四節:憧憬]/[第五節:言葉] 第六十三章 [第六節:宿業]/[第七節:決意] 「過去と流血に囚われし、嘆きの姫」 第六十四章 [第一節:鳴動]/[第二節:邂逅] 第六十五章 [第三節:怨霊]/[第四節:憎悪]/[第五節:疑念] 第六十六章 [第六節:感触]/[第七節:認識] 「姫の閉ざされし檻、呪われし高貴」 第六十七章 [第一節:孤独]/[第二節:現実] 第六十八章 [第三節:賢者]/[第四節:信念] 第六十九章 [第五節:自我]/[第六節:誓約] 「ただその翼は、姫を解き放つ為に」 第七十章 [第一節:奇策]/[第二節:困惑] 第七十一章 [第三節:決闘]/[第四節:猛襲]/[第五節:進化] 第七十二章 [第六節:窮地]/[第七節:宵闇] [第八節:明星]/[第九節:開花] 「呪いと嘆きの縛鎖を、断ち切って」 第七十三章 [第一節:呪縛]/[第二節:悲壮] 第七十四章 [第三節:奈落]/[第四節:絶望]/[第五節:破局] 第七十五章 [第六節:奇跡]/[第七節:希望]/[第八節:至宝] 終章 「前を見た少女と、煌めく神の姫達」 [第一節:訣別]/[第二節:姉妹]/[第三節:逢瀬] [第四節:真心]/[第五節:約束] 外伝 その一 「新製品レポート──あるいは惚気話」 その二 「神姫たちの夜──あるいはその本性」(R指定) その三 「姦し神姫──あるいはトレーニング」 その四 「眠れない夜──あるいは清らな誓い」 その五 「聖者バレンタイン──あるいは歓喜」 その六 「燃ゆる聖杯の誘い──あるいは姫君」 その七 「特殊戦闘訓練──あるいは神姫無双」 前半/後半 その八 「晴れの舞台へと──あるいは内職業」 その九 「上がる緞帳──あるいは初日その一」 その十 「麗しき戦い──あるいは予選その一」 前半/後半 その十一 「誠意の返礼──あるいは初日その二」 その十二 「白鳥の乙女──あるいは予選その二」 前編/中編/後編 その十三 「熱気の坩堝──あるいは初日その三」 前半/後半 その十四 「熱き心魂──あるいは二日目その一」 その十五 「激烈なる拳──あるいは決勝その一」 前編/中編/後編 その十六 「折り返し──あるいは二日目その二」 その十六半 「零より来る者──あるいは準々決勝」 前編/中編/後編 その十七 「久方ぶりの羽休め──あるいは啓示」 その十八 「引き続いて羽休め──あるいは叙情」 その十九 「歌声、響いて──あるいは茜の日常」 その二十 「楽しい、来客──あるいは葵の日常」 その二十一 「叡智、輝いて──あるいは梓の日常」 その二十二 「星に、願いを──あるいは七夕の夜」 その二十三 「誇り──あるいはちょっとした挑戦」 前半/後半 その二十四 「現(いまどき)の神姫──あるいは祭」 その二十五 「水辺に泳ぐ女神達──あるいは入水」 前半/後半 その二十六 「最新の技術──あるいは公式の武装」 その二十七 「舞い踊る秋──あるいは少女の危機」 その二十八 「隣は何をする姫ぞ──あるいは晩秋」 その二十九 「大切な人に──あるいは粉雪の聖夜」 その三十 「曙の女神達──あるいは新年三ヶ日」 前半/後半 後日談 一幕 「紫風の尖姫──あるいは誇りと誓い」 [第一節:挑戦]/[第二節:宝石]/[第三節:騎兵] [第四節:軍隊]/[第五節:巨神]/[第六節:疾風] 二幕 「白花と黒華──あるいは聖者の再来」 [第一節:白花]/[第二節:聖者] [第三節:純愛]/[第四節:黒華]/[第五節:楽園] 各種解説 作中単語の解説・その一 作中単語の解説・その二(ネタバレ有り) 共通武装&共通装備の解説 軽量級ランク用武装の解説:その一 軽量級ランク用武装の解説:その二 重量級ランク用武装の解説 後日談で登場した武装の解説(ネタバレ有り) おまけ 商品案内:“Rosa bianca” 協力・引用 様々な方々のネタを、拝借・引用などさせてもらっています。 素晴らしい物を日々書き上げる皆々様に、最大限の感謝を。 HOBBY LIFE,HOBBY SHOP Gの人氏 戦うことを忘れた武装神姫 けものや氏 橘明人とかしまし神姫たちの日常日記 神姫の父氏 ねここの飼い方・劇場版 ねここのマスター氏 徒然続く、そんな話。 碧鈴の持ち主氏 凪さん家シリーズ チアキ氏 2036の風 「風」の人氏 魔女っ子神姫☆ドキドキハウリン ドキドキハウリンの中の人氏 剣は紅い花の誇り ぬえ氏 EXECUTION ―Requiem for Illegality― 穂刈氏 神姫ちゃんは何歳ですか? 優柔不断な人(仮)氏 狛犬はうりん劇場 参拝客氏 また、一部“2007年に実在した”ニュースを引用しています。 ※著作権上問題だと判明したので、見出しは撤去致しました。 ご意見等が有りましたら、こちらよりどうぞ。 閲覧: - 本日: - 昨日: - 最終更新日:2008年02月15日17時49分38秒 初回更新日:2007年01月16日 本編終了日:2008年01月25日 当頁及び関連頁の文責:妄想の人
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/192.html
前へ 先頭ページ 次へ 第四話 それぞれの正義 夜はまだ明けない。それどころかさらに深まる時刻だった。 ぼたん雪のかすかな音を、サーッ、というサルーンの――車にしては静寂な――エンジン音がかき消している。つまりそこだけはサルーンが支配しているということになる。 サルーンの周囲はサルーンの世界であり、雪の入り込む余地は無かった。サルーンの所有者は誰かといえば鶴畑であり、つまり車の周囲は鶴畑の支配する世界であり、その世界はある一定の範囲の空間を持ち、サルーンを中心に同等の速度で動いているといえた。 サルーンが去ってしまえば追いやられた雪の世界がふたたび戻ってくるが、サルーンの周りは雪などその辺の石ころと同等であり、言い換えれば絶対的に鶴畑の支配が及んでいるのだった。 鶴畑家、ひいては鶴畑コンツェルンとはそういう組織だった。自らの支配できる範囲を、絶対的な権力で押さえつけるやり方である。範囲を少しでも外れるものに対しては途端に興味を失ってしまうが、手の届くところに一ミリでも入り込んでしまえばそれは否応無しに、たちどころに鶴畑の支配を受けることになるのだった。 独裁者、絶対王政、などという言葉が似合った。武装神姫に関して形容するなら、鶴畑は裏の世界の表の帝王だった。 被支配者に対し、支配していると強固に分からせるやり方。 それは支配という概念に関して、夢卯理音の持っている、「支配していることを被支配者に絶対に気付かせない」支配論とまったく相対する理論だった。 非効率的だ。と、理音は思った。 相手に自分が支配していることを分からせるやり方はたしかに方法としては強力だが、オープンであるがゆえに穴が出来ざるを得ない。加えて被支配層との無駄な対立、そしてそこから派生する紛争が確実に勃発するのだ。被支配層は支配から逃れるために真っ向から対抗しつつ支配の穴を突こうとし、支配者は自らの軍で反乱を鎮圧しつつ見つかった穴を塞ぐ。穴は無数にあり簡単には見つからないから、結局戦いはいつまでも続くのだ。どちらかの戦力が疲弊するか、穴を突かれて支配者が暗殺や処刑されるかするまで、である。 そして単純に考えれば、純粋戦力が打破される懸念に加えて、支配者側には穴を突かれてトップから瓦解する懸念があるわけだから、ウィークポイント比率は支配者対被支配者で二対一、ゆうに半分もの差がそこにある。支配者は権力と戦力をふんだんに利用したパワープレイで、多くは純粋戦力面を増強するが、反乱を早期に鎮圧できるならまだしも、対立が長引けば穴を突かれて一撃必殺される危険性は加速度的に増大してゆく。 リーダーを失った組織は、例外なくもろい。すぐに後継者が現れるならいいが、後継者は後継者として完成するための育成機関があるわけで、育成が完了していれば問題ないがだいたい間に合わない。 鶴畑の支配体制は鶴畑が経済的に強大すぎるほどの力を持っているそれゆえに、資本主義社会の上においてのみ成立する体制なのだった。 これに対する理音の支配論の有効性は、さらに著しく行を割いてしまうため詳しく述べない。前述の懸念がほぼ綺麗に無くなるのだから、それだけ有効なやり方だとだけ述べるにとどめておく。 非効率すぎてやる気が失せる。理音はドアにひじをついて、真っ暗な夜の街を見ながらため息をついた。 窓に、車内灯に照らされた鶴畑興紀の横顔が写っている。彼は腕組みをしながら背もたれに長躯を預け、目を閉じていた。眠っているのだろうか。 彼は支配者としての優越感を味わいたいだけなのかもしれない。オープンな支配の、支配者に対するリターンのほとんどはまさにそこにある。支配していることを手に取るように実感させてくれるのだ。 その面白さは、理音にも、分かる。 胸元がもぞもぞと動き出した。 「ねえ、もう出てもいい?」 そうだ。あれからずっと胸元にクエンティンを押し込んでいたのだ。 「ごめん、いま出すね」 入れるときは首元からだったが皮膚に装甲の突起が当たって痛かったため、理音は裾をまくって下から手を入れ、クエンティンを取り出した。 彼女の姿は変わったままだった。おそらくあのアイスバーンの下から出てきた神姫の仕業だろう。原理は分からないが合体してしまったらしかった。そのおかげで私は助けられたのだから、文句は言えない。 「なるほど、それが例のプロトタイプか」 いつの間にか鶴畑興紀が目を覚まして、クエンティンを見つめていた。もともと眠っていなかったのかもしれない。冷たさは幾分感じられるが、獲物を狙うような、残忍な目、では無かった。能ある鷹は爪を隠すというように、彼も本性を隠しているのだろう。 「違うわ、融合しちゃったのよ」 クエンティンはことの顛末を話した。 「フムン、やはり単なる強化パーツではなかったか。一体まるごと新型の神姫を作って、対称の神姫に合体、いや、融合させる方がもっとも強力だろうからな。名前は?」 「アタシはクエンティン」 「お前じゃない。知っている。私のルシフェルに傷をつけた神姫は忘れん。お前の中にいるその試作型だ」 『独立型武装神姫総合戦闘支援システムプロトタイプ、エイダです』 「やはり独立したAIを備えていたか」 表情をまったく変えずに、興紀は言った。 「ねえ、いま、やはり、って言ったわね。『やはり単なる強化パーツではなかったか』って」 理音は言葉尻をとらえて訊いた。 「鶴畑はこれと何か関係しているの?」 「鶴畑はこのプロジェクトの筆頭出資者だ」 興紀はなんら隠すそぶりも見せずに答えた。 「プロジェクト?」 「次世代強化パーツ開発計画、メタトロン・プロジェクト」 大仰な名前だな、と、理音は思った。 「だがこれで分かった。次世代強化パーツ開発計画などというのは表向きで、実際は次世代の武装神姫開発計画、あるいはそれと同等の計画と呼ぶのが正しいようだ」 「もしかして、それを確かめるためにあそこに来たの?」 「筆頭出資者としてプロジェクトの詳細は把握するのは当たり前だ。だがプロジェクトチームはチーム以外の関係各所に対して微塵も情報開示しなかった。だからこの機に確かめに来て、可能なら回収するつもりだった。そこにたまたま貴方が居合わせ、さらに回収目的にあの新型どもが現れ、危機を察した試作型は貴方の神姫に融合した」 さっきは貴様、って言ったくせに。と理音は思った。 「私達は巻き込まれたわけか。で、そのプロジェクトの存在も教えた以上、帰すわけにも行かないってことね」 「可能なら神姫だけを持って行きたいが、それはあなたが許さないだろう、それにもうあなたにも危険が及ぶ可能性がある」 「私を助けるのは鶴畑のイメージ戦略? 私はお荷物なわけか」 「どうとってもらっても構わないが、お荷物だとは思わん。あなたのシステムに対する挑戦能力は、正直言うと私も見習いたいくらいだ。例の瞬間移動はあなたが発祥だ。もう使えなくなったのが気の毒だが」 「……それは、どうも、ありがとう」 理音は驚いた。お世辞だとしてもあの鶴畑の、しかも長男からそんな言葉が聞けるなんて。 「ともかく、ということはあなたも詳しくは知らないわけね」 「試作型があそこにいた理由だけだ。プロジェクトチームの一部が造反を起こし、二機の試作型を奪って他社に情報を売ろうとしたと聞いている。一機は奪取に成功したがもう一機は自ら逃走。後はあなたが体験したとおりだ」 「あの一つ目の神姫みたいなのは?」 「新型神姫の量産試験型だろう。素体のみで大したAIも積んでない。だが、拳銃を弾いたのが気になる」 理音は先ほどのことを思い出した。拳銃弾が命中したにもかかわらず、それだけでは壊れず、電柱に激突してやっと爆散したのだ。それもいままでクエンティンがダメージを与えていたからそうなったのであって、あれがもし無傷であったらと考えると……。 理音は武者震いを禁じえなかった。 「融合する前のクエンティンが戦ったとき、あんなに細い骨格に切り込むことすらできなかった。それに、神姫のパワーじゃないって言ったわ」 「うん、あれは下手すると素手で人を殺せるわね。レーザーカッターみたいなのを使えば、鉄板なんて紙きれだと思う」 クエンティンが答えた。 「もうただの趣味のための道具ではないな」 興紀は再び背もたれに身体を預け、ふう、と息を吐いた。 「これからどこへ?」 「ひとまず私の屋敷だ。そこで今後の対策を練る。あなたとその神姫にも協力してもらう。どうせあなたの神姫から、プロトタイプはもう引っぺがせないだろう」 『機密ロックが掛かっています。責任者が許可するか死亡しない限り、融合は解除できません』 「ご丁寧にありがとう」 『どういたしまして』 「その責任者って?」 「最悪なことに、造反組のリーダーだ。たしか、ノウマン、とかいうEU人」 「そう……」 それでひとまず会話は中断した。 ぼたん雪が降りしきる暗い夜道を、真っ黒なサルーンが高級車特有の静かなエンジン音を立てて走る。ヘッドライトが照らす道は轍の出来た雪道だけで、周囲がどうなっているかは分からない。 この道はまっすぐ行けば、郊外の鶴畑邸へ続いている。 到着までまだ二十分少々掛かるとのことだった。 車内は沈黙が支配してしまう。 が、理音は落ち着かなかった。 会話をしていなければ不安なのだ。相手が鶴畑だというのが気に食わないが、この際どうでもいい。まあ、性格はともかく、顔だけ見れば良い男だからそれでチャラにしてやろう。などと思いつつ、理音はかねてから聞きたかったことを切り出そうとした。 が、先に切り出したのはクエンティンの方だった。 「ねえ」 「なんだ」 「アンタ、自分の神姫が負けたら片っ端から廃棄処分にしてるってホント?」 あからさまに侮蔑と敵意を込めた口調であった。 これにはさすがの理音も肝を冷やした。 だが興紀は悪びれた様子も無く、いつもどおりの淡々とした表情で、 「そうだが、それがどうした」 と答えた。 この返答の仕方がクエンティンの堪忍袋の尾をぶち切ったらしかった。 「やめなさい、クエンティン!」 とっさに理音が静止していなければ、クエンティンはブレードを展開して興紀に襲い掛かっていたかもしれなかった。人工知能基本三原則を無視できる一つ目どもと同じ出自の神姫と融合しているのだから、その可能性はあったのだ。 一歩間違えれば殺されていたにもかかわらず、興紀は動揺するそぶりすら見せなかった。 「出来れば理由を聞きたいわ。よろしいかしら?」 いまだブツブツくすぶり続けるクエンティンを押さえつけながら理音は言った。 興紀はしばらく目をつぶっていたが、一度深呼吸をした後、話し始めた。 「武装神姫は道具だ」 その一言目だけでクエンティンがびくりと動くのを理音は感じた。 「神姫とは趣味のための道具、ツールでしかない。釣竿やゴルフクラブ、あるいはゲーム機。それらと同等だ」 「使えない道具は棄てるというわけ?」 「単純に言えばそうだが、ただ棄てるだけでは意味が無い。神姫という道具は蓄積された戦闘データを受け継がせ、必要な装備を移行させ、より洗練されたボディに移し変えるものだ。より自分に合った洗練された道具を作り出す」 自分とはもちろんオーナー自身のことだろう。 「棄てられた神姫のことは考えないのね」 「何の意味がある? いちいち道具に思い入れていたらキリが無い」 「神姫は意思を持っているわ。私たちと同じ意思が」 「下らんな。人工物に意思があるなどというのは幻想だ。有ったとしても邪魔なだけだ。必要ない。神姫に人権を与えようとする運動が盛んなようだが、反吐が出る。モノに権利など要らん。面倒くさくなるだけだ。理解が出来ん」 会話している最中、何度もクエンティンがもがくのを理音は押さえつけていなければならなかった。 ここまで話しただけで、理音は彼とは武装神姫、ひいては人工知能に対する見識まで決定的な乖離があることを思い知った。 彼は武装神姫を知性体とは見なしていなかった。彼にとって、武装神姫とは自分の趣味を行うために必要な道具であり、それ以上でも以下でもないのである。 おそらく彼の持論に対して、過半数の神姫とそのオーナーは反発を示すだろう。なぜならば彼の持論を一かけらでも認めたが最後、いままで築き上げてきた自身と神姫との蓄積の全てが、無意味なものになってしまうからだ。 だがその点で言うなら、幻想だとするのも間違ってはいない。そもそも、どれが現実でどれが幻想だと区別するのはもはやこの時代においては意味をなさない。目には見えない実体の無いものが多すぎるからだ。コンピュータデータ然り、人工知能の意思然りである。だが、難しい理屈を抜いても、人々にとってそれは「ある」ように感じられる。ならば「ある」とした方が後々落ち着くのは道理だろう。人は幻想がなくては生きて行けないのだ。 たとえ武装神姫に意思があるというのが幻想だとしても、「ある」と感じられるのが重要で、多くの人々はそれを認めているからこそ、神姫の人権運動が起こるのである。 だが彼は、違う。鶴畑興紀という人間は、武装神姫の意思が「ある」とは感じられないのだ。理屈のあとさきは問題ではない。どうであれ彼が武装神姫に意思はないと感じたならば、周囲がどんなに「ある」とまくし立てたところで、彼にとってはどうあがいても「ない」のである。 それが鶴畑興紀の正義なのだ。話し合いの余地の無い、正義。 私が武装神姫でシステムの裏をかこうとするように。あいつが公式装備以外を絶対に使わないように。 だから彼がたとえこの先神姫を棄てても、批判することは出来ても糾弾したり弾劾したりすることは決して出来ないのだ。 「……あなたの思想は認めるわ」 「お姉さま!?」 「でもやっぱり私は、個人的感情として納得することは出来ない」 「それでいい。個人の思想や正義は誰にも侵害されない。同時に自分の正義で他人を押しつぶしてもならない。最近私たちの思想に対して正義の味方気取りで向かってくる馬鹿がいるが、そんなものは正義の味方でもなんでもない。ただの押し売りだ」 もっともだ、と理音は思う。 彼の正義は、他人の正義を侵犯したことは少しもない。 武装神姫のバトルは認められた戦いであって、対戦者相互の個人的な事情でないかぎり正義がぶつかることはまず、無い。 正義の味方というのは、強者の正義で弱者の正義が侵犯されたときに現れるのであり、それ以外で現れたのなら正義の味方は転じて悪の権化と化すのである。 自分を含む過半数のオーナーと神姫に対して鶴畑三兄弟とは悪に違いないが、彼らは経営レベルはともかく直接関係のあるユーザーレベルにおいてはよくよく見ればただバトルをしているだけであって、正義を振りかざして他人を貶めることは何一つやっていないのである。 この先武装神姫の人権が認められてからもまた、彼が神姫を棄て続けるとすれば、それは明らかに人権侵害であり犯罪であるが、神姫に人権が出来るなら彼はたちどころに武装神姫から手を引くことは容易に予想できる。 彼のような人間は決して一人や少数ではないのもまた事実なのである。神姫に人権を認めたなら彼らの思想を侵害してしまうのであり、また経済的に見れば甚大な損失が計上されるのは間違いない。 長い間、「神姫には意思はあるが人権は無い」とする矛盾した体制になっている理由はここにあるのだ。 漫画の神様がロボットは友達だと教えてくれたこの日本においても、だからこのさきしばらくは、人工知能や武装神姫に人権が認められることは無いだろう。 ◆ ◆ ◆ 車の心地よい振動が眠気を誘う。考えてみれば今は寝る時間だ。 仕事明けで、しかもあんな体験の後だったから、理音はひどく疲れていた。 仕事のことは鶴畑がなんとかしてくれるだろうという甘い考えに浸りつつ、まどろみの中へ沈んでゆく。 が、睡眠への埋没はすんでのところで叶わなかった。 『警告、後方より脅威、高速接近中。数、一』 唐突にクエンティン、いや、彼女の中のエイダが言った。 「追っ手だと? じい」 「申し訳ありません、撒いたはずなのですが……」 「車じゃないわ」 理音が後ろを見て叫ぶ。 青白い交点が、サルーンを追っているのが見えた。 「神姫か……!?」 『脅威詳細確認。警告。敵はMMSタイプ・アヌビスです』 「アヌビス?」クエンティンが訊ねる。 『私と同じプロトタイプです。私の開発コードはMMSタイプ・ジェフティです』 「片割れというわけか。虎の子をまさか実戦投入してくるとはな。じい、屋敷まではあとどれくらいだ?」 「あと五分少々です」 「追いつかれるぞ」 「アタシが出る」 「何?」 クエンティンが手を上げた。 「だって、片割れなんでしょ? だったらこの子と融合してるアタシが相手するしかないじゃない」 『現状ではアヌビスに勝てません』 「……うそ?」 『サブウェポン、その他各機能を駆動するためのデバイスドライバがインストールされていません。手動でプログラムを組むことは出来ますが、本来の性能を発揮できず、また大きな負荷がかかります。現状の戦力比は本機を一として、アヌビス、三二七です』 「冗談みたいな戦力比だな」 『事実です』 「あなたが出て捕まったら意味が無いわ」 「このままでも一緒よ!」 「ねえ、あなた、あのルシフェルとかいう神姫は持ってきてないの?」 「バトル以外で持ち出すわけが無い」 「役立たずね」 「なんだと!?」 「お二方、けんかをしている暇はございません」 運転席の執事がいさめる。 「屋敷まで着けば対空ファランクス砲があります」 「何でそんなもの日本の屋敷に付いてるのよ」理音が突っ込む。 「鶴畑の敵は多いんだ」興紀が答えた。 「ですからそれまで、クエンティン様が足止めしていただければ、追い払うことは出来ます。これしか方法がありませんぞ」 一瞬の沈黙。 「止むを得んな」 興紀が言った。 「クエンティン……」 心配そうに理音が見つめる。 「だいじょーぶよ。足止めするくらいなら、出来るわよ」 『目的地に到着するまでならば、可能です』 「ほら、エイダも言ってるんだしさ」 「…………」 理音はうつむく。 彼女をサポートできないのがこんなに辛いとは。 だが、いまは頼るしかない。 ややあって意を決したように顔を上げた。 「頼んだわよ、クエンティン」 「まっかせなさーい」 窓が開けられる。高速の風が雪ごと車内に吹き込み、一気に寒くなる。 「車からできるだけ離れないように。では、頼みましたぞ」 「ラジャー!」 クエンティンの背中の羽からエメラルド色の粒子がほとばしる。 出撃。 つづく 前へ 先頭ページ 次へ
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/617.html
SHINKI/NEAR TO YOU Phase01-3 一向はモノレールに乗り無事市街地へと到着した。 「ふむ、ここが摩耶市のですか。多少煩雑な趣きですが、賑やかな所ですね」 初めてくる市街地がめずらしいのか、ゼリスは駅を出るなりキョロキョロと周囲の街並みを興味深そうに眺めている。 「あちらの派手な外装の建物は? 何やら騒々しい音がしますが」 「ゲームセンター。いろんなゲーム機で遊ぶところよ、ぜっちゃん」 「あのような棒でボールを突いて……何が目的なのでしょう」 「あれはビリヤードね。テーブルの玉を脇のポケットに順番に落としていくゲームよ」 ゼリスは「人間の娯楽はよく分かりませんね」と言いながら、今度は通りの反対側を指差す。 「あれはなんですか? 人形の猫が飲食物を持っています」 「あれはピザキャットの客引き用マスコット〝ニャンキー君〟ね。帰りに寄ってこうか?」 「は~いは~い。ボクはスペシャルニャンキーセットがいいっ!」 姦しく騒ぐ少女三人組(?)の会話を、シュンはうんざりしながら聞いている。さっきから自分たちに向けられる視線が結構痛い。 「それにしてもこの辺りの人たちは神姫が珍しいようですね。道行く皆が私たちを見ていきます。シュン、どういうことでしょう?」 「お前がさっきから人の頭の上に座ってるからだろうがっ!」 思わず声を荒げたシュンは、すぐに周りの好奇の目に気がついた。仕方なくまたブスっと口をつぐんで仏頂面に戻る。モノレールを降りてから、ゼリスはよりにもよって彼の頭の上に居座っていた。 彼女いわく「この方が周囲をよく見通せていいのです」だそうだ。 「あはは。シュっちゃんて昔っから女の子にはテンで弱かったもんね~」 お前が言うなよ、お前がっ。 「ところでさ、シュっちゃんたちは今日どんなパーツを買う予定なの? 物によってオススメルートが変わるから、参考に聞かせてくれると助かるなぁ」 笑いから一転真面目な顔つきに戻った伊吹を見て、シュンも今日の目的を思い出す。そうだった、今日はただ遊びに来たんじゃない。 「え~っと、クレイドルのオプションと周辺機器の他に……。後は……そうそうメモがあったんだ」 シュンは出掛けにジーンズのポケットに突っ込んだままだったそれを取り出す。「どれどれ?」と伊吹がそのメモを興味深そうに手に取る。 「へぇ~……って、これってかなり上級者向けのパーツよ。オーナーになったばかりのシュっちゃんには難しくない?」 「そうなのか? 優のヤツから渡されただけだからよく分かんない」 「ああ、これ優ちゃんが書いたんだ」 有馬優(アリマ ユウ)はシュンの2つ年下の妹だ。最近すっかり生意気になってきたのがシュンとしては少し寂しいかぎり。どうにもよく分からないが、いわゆる思春期の反抗期ってやつだろうか。ちなみに小学校は休みじゃないので、今日は連れてきてない。 「ふ~ん、なら安心だね。優ちゃんしっかり者だしね」 「私としましても、ユウのリストアップしたものならば信頼が置けます。さらに舞さんに厳選していただければ万全ですね」 「僕への信用はゼロかよ……」 シュンの呟きを黙殺しつつ、伊吹とゼリスは早くも意気投合しつつあるようだ。 「ふふふ。ありがと、ぜっちゃん。ああ、ゼリスちゃんだからぜっちゃんで問題ないよね?」 「どの様に呼称されようとそれがそのものの本質――つまりは私自身を指すのであれば問題ありません。舞さんのお好きな呼び方で結構です」 「リョーカイ♪ それじゃあ頑張ってぜっちゃんにピッタリなパーツ選んであげるからね。今の服もカワイくていいけど、そのままじゃね~」 そう。伊吹の言う通り今のゼリスはおよそ戦いとは無縁な装いに身を包んでいる。黒地を白のレースと若草色のリボンで飾ったドレス、俗にいうゴスロリ・ファッションというヤツだ。 こんな格好した神姫が頭の上に座ってれば、そりゃ目立つよな。なんで武装神姫であるゼリスがこんな服を着ているのかは……やめよう、これ以上頭を痛めたくない。 そんなシュンの心中を知ってかしらずか。張本人であるゼリスは彼の頭上ですっかり観光モードに入っている。周りの目を気にするとかいう考えは、そもそも発想すらないのだろう。 全くこいつは、その小さな体で何考えてるんだか。 出会ってからそれなりの時間が過ぎたが、シュンには未だにゼリスが何を考え、何を思って行動しているのか分からなかった。 そもそもこいつ、僕の事を本当に自分のオーナーだと認めているのか? シュンは沸き起こる葛藤を振り切って、先を行く伊吹の後を追いかけた。とにもかくにも。何でもいいからパーツを買って、まずはせめてゼリスにもっと神姫らしい格好をさせよう。 ……この周りからの好奇の目線に、帰りも耐えられそうにないから。 * 武装神姫による対戦ゲーム「武装神姫バトル」が始まったのは、神姫タイプ発売から一年後の2032年のことだ。 武装神姫バトルは管理運営機関である「武装神姫バトル管理協会」の元、幾度ものバージョンアップ、レギュレーションの厳格化、様々なレイティング・クラス分けの導入、オフィシャル・フリーなどの興行様式の明瞭化、関連施設の充実などを経て徐々に洗練されていき、スタートから数年で国内アミューズメントとしての人気と地位を確立させた。 今や年数回開催される公式大会ともなればこぞってマスメディアに取り上げられ、その人気は日本国内だけに留まらず遠く海外にまで広がりつつある。 そうした神姫ブームの立役者が全国各地に点在する神姫専門商業施設「神姫センター」や、神姫をメインに取り扱ったMMSショップの存在だろう。 取り分け専用施設である神姫センターは施設内の各店舗によって神姫の購入、カスタマイズ、修理など様々なサポートを受けることができ、初期ユーザーにとって心強い味方となった。 神姫センターは武装神姫アミューズメントの中心として、現在もなお多くのユーザーたちが訪れる場所となっている。 「うわぁ~、すっげーなぁ」 初めて訪れる神姫センターに、シュンは素直に感嘆の息をもらした。エントランスから施設内に入るとそこはセントラルコートになっていて、平日にも関わらず多くの来客が行きかっている。 正面には大型モニターが設置され、二股の槍を構えた神姫と巨大な十字手裏剣を持った神姫の戦う姿が映し出されている。CMでお馴染みの音楽が流れ、否が応にも気分が高まる。 「ちょっと、あまりキョロキョロすると恥かしいわよ」 「シュンはおのぼりさん♪」 すでに何度も訪れている伊吹とワカナがたしなめるが、シュンは初めて味わう神姫センターの雰囲気にすっかり当てられていた。 「だってさぁ、僕は神姫センター来るの初めてだし。おお、あれなんだ?」 「シュン、それよりもあちらの奥にあるものは気になります。確かめに行きましょう」 「待て、ゼリス。あっちにはあんなのがあるぞ」 「いいえ、それよりもあの上の方に見える施設の謎を解明するのを優先すべきです」 「ああ、ゼリス。向こうから何やら楽しげな音楽が」 「ふむ、あそこの人たちは一体何をしているのでしょう? さらなる謎が……」 「むむむ……」 「なんと――っ」 「右、いや正面かっ?」 「見える……私にも敵が見え……」 「いーかげんにしなさ―――いっ!!」 伊吹のツッコミが眉間に命中し、ようやくシュンとゼリスはハッと我を取り戻した。 「僕たちは一体今何を……」 「なるほど、これが人間たちを魅了する神姫センターの魔力というヤツですか。怖ろしいものですね」 「ああ、気をつけないとな」 神妙な顔で頷きあうふたりに伊吹は呆れつつ、気を取り直し武装神姫ユーザーの先輩としてこの新人コンビの先生役に戻ることにした。 「全く……いい、ふたりとも。一通り神姫センターの施設も案内してあげるから、フラフラせずにしっかりついてくるのよ。そうじゃないと、迷子になっても知らないから」 ジト目で睨む伊吹に、シュンとゼリスに何故かワカナまでがこくこくと頷いた。 必要パーツの購入は問題もなくスムーズに進んだ。 シュンは優から渡されたメモに書かれたパーツの種類の多さから考えて、正直今日中に全て回るのは難しいと思っていた。 しかし、メモを受け取った伊吹は不慣れな彼の代わりにどのパーツをどの店舗で買えばいいのか瞬時に判断し、すぐさま最も効率的なルートを決めてくれた。おかげで途中ゆっくりとした昼食を挟みながら、余裕を持って店舗内を回ることができた。 一通り買い物を済ませたシュンたちは、センター内の軽食店で休憩がてら早めの三時のおやつを楽しんでいた。 「今日は本当に助かったよ。僕たちだけで来てたらこんなにうまくいかなかったからな」 シュンは今日見て回った神姫センターの広さを思い出しながら、素直な感想を述べた。もしゼリスとふたりだけだったら、何を何処で買ったらいいか分からずに途方に暮れるところだったろう。オマケに伊吹が行く先々での値段交渉までしてくれたおかげで、出費も覚悟していたものより軽く済んだ。 だからこそ彼は今こうして、気分良く今回の功労者である伊吹にお礼を兼ねて奢ったりできる訳だ。 「持つべきは頼れるカワイイ幼馴染ってね。シュっちゃんもこれで改めてあたしの有難みが分かったでしょ?」 パフェを口に運びつつ伊吹はご満悦。 「本日のお手並みは見事でした。ルート選択も非常に合理的で、常日頃からの蛍雪が伺えます。伊吹さんはシュンには勿体無いくらいの有徳を持った方ですね」 ほっとけ。まあ、ゼリスも買い物が順調に運んで、気分がいいようだからよかったか。 シュンは大きく伸びをする。テーブルの上ではゼリスが、伊吹がパフェを平らげていく様を見つめている。その横ではワカナが午後のお昼寝タイム中。 朝はいろいろ不安だったものの、買い物中も特に問題も起きなかったし、このままなら今日は無事に一日を終えることができそうだ。 「ふ~、さてと。お腹もふくれたことだし、さあ行こっか!」 「行くって……何処にだよ?」 伊吹はまだ寝ぼけ眼なワカナを抱きしめ勢いよく席を立つ。もう必要なところはすべて回ったはずだし、帰りの時間にはまだ早い。キョトンとするシュンとゼリスに、伊吹は不適な笑みを浮かべる。 「ふっふっふ、諸君。神姫センターといったらアレしかないでしょう?」 「ふむ。伊吹さん、アレとはなんでしょうか?」 首を傾げるゼリスとシュンの前に、彼女は店内に設置された情報モニターを指差した。 そこには次々と眩いエフェクトが切り替わりながら、ひとつのトピックが流れていた。 『NEWヴァーション武装神姫バトル筐体、登場! 美しき神姫たちの熱いバトルが君を待っている!』 ▲BACK///NEXT▼ 戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1307.html
「お待たせしました」 「いえいえ。……おお、見違えましたね」 私の声に応じて振り返ったマスターさんは、そう言ってにっこりと笑いました。 そして、傍に立てかけてあるパッケージイラストと私を見比べます。 「なるほど、箱の絵と同じになりましたね。素のままの犬子さんもアレはアレで素敵でしたが、やはりこちらの姿が武装神姫としての完成形なのでしょうね。より一層素敵ですよ」 「過分なお言葉、恐縮です」 膝を落とし似非正座の姿勢を取ってから、深々と擬似座礼を行なう私。おそらくマスターさんからは、私の倒した背中越しにぶんぶん振られるドッグテイルがよく見えたと思われます。 それから再び立ち上がり、ちょっと調子に乗って色々なポーズで武器を構えてみたりします。 ポーズをつけるたびに、笑顔で律儀に拍手をしてくれるマスターさんは、本当にいい人だと思うのです。 「……おや?」 「? どうかしましたかマスターさん?」 簡易ファションショーを中断し、私は何かに気付いたマスターさんの視線を先を見やります。 そこにあったモノは……武装装着の際に端子から取り外し、パッケージの影に置いた私の両腕パーツおよび両足パーツでした。 「私の余剰パーツが、どうかしましたかマスターさん?」 「どうかしました、と言うか……あの、いま犬子さんの手はどうなっているのですか?」 むむ、なにやらマスターさん、心なしか顔色が優れません。 「どう、と言われましても……」 とりあえず、私は【手甲・拳狼】をわきわき動かしつつ……おもむろに、【腕甲・万武】から腕を引き抜き、むき出しの接続端子をお見せしました。 「このようになっておりますが」 ……はて、マスターさんは、何を一体絶句なさっているのでしょうか? 「本当に、どうかなさいましたかマスターさん?」 「あー、いえ、なんというか……その装備は、そうやって腕を取り外さないとつけられないものなのですか?」 「ええ、そのようになっております」 「……あの、そうやって腕を引き抜いて付け替えるような形でなくて……例えば、普通に元の腕の周りを覆うような形式にはできなかったのですかねぇ?」 「正確なところは設計者に聞かないことにはなんとも言えませんが、私が考えるに、まず第一に仰るようなマスター・スレイブ方式では……」 「すみません、その『ますたーすれいぶ方式』と言うのは?」 「ええと、簡単に言えば中身の動きを外側が真似てくれる機構のことです」 「なるほど、お話の腰を折ってしまって申し訳ありませんでした」 深々。 「いえいえ、こちらこそ至らぬ説明で」 深々。 「では続けます、マスター・スレイブ方式では腕部パーツを内包しうるスペースの確保のために設計的に内部機構を圧迫し、小型化、生産性、強度の低下を招きます。元のサイズが小さいだけに、わりとそのあたりは死活問題なのです。そして」 言いながら、再びわたしはがっしょんと【腕甲・万武】に端子を接続しました。そうして再び制御下に置かれた【手甲・拳狼】を、マスターに向けてわきわきと滑らかに動かして見せます。 「第二に、こうして直接接続・制御することで、マスター・スレイブ方式では不可能な滑らかで繊細な可動が可能となります」 ……って、あら? マスターさんひょっとしてヒいていらっしゃる? 「ヒいたと言うわけでもないのですが……わりかしシュールですねぇ、とは思います」 そうなのでしょうか? 私たち武装神姫はつまり「機械」、修理や換装の際のパーツの付けはずしは当然と認識しています。 ですが、人間の方にとっては、それは不自然に感じるのでしょうか? 「そうですねぇ、人間、というか生体は、滅多なことでは部品の入れ替えはしませんから。 サイズ以外は人間そっくりに見える武装神姫でそうしているところを目の当たりにしてしまうと、戸惑ってしまうのかもしれませんね」 「なるほど、そういうものですか」 「そういうものです」 むむ、なにやら雰囲気が沈んでまいりました。 何とか情況を打開しうる行動選択はないものか、私の記憶野を高速検索です。 ですが、まだ起動したての私の乏しい経験では、現状に即した打開策はそう簡単には…… あ、1hitです。 早速実行してみましょう。 「唐突ですがマスターさん、僭越ながら隠し芸などを披露したく思います」 「おお? 拝見させていただきます」 居住まいを正し、積極的に興味を示すマスターさん。ううむ、どうやらこちらがこの沈みがちな雰囲気を何とかしようとしていることを汲み取っていただけたご様子。 そのお心遣いに報いねば、武装神姫がすたると言うものです。 私はマスターさんに背を向けて腕部パーツに向き直り、再び右腕の端子を【腕甲・万武】から外します。 「む、むむむむむ……!」 そして気合を入れます。 出来ると信じること。 そこにあると認識すること。 それを貫けば、空間の隔たりなど越えられる! 「むん!」 気合一閃、果たして――私は成功しました。 私の目の前で、思惑通りにずり、ずりと動き出す私の腕部パーツ。 「成功です! ハウリンタイプにプリインストールされた48の宴会芸の一つ、『ゾンビ・ハンド』です!」 本来ならば【プチマスィーンズ】に指令を伝える通信波を強制的に変調させ素体制御信号に似通った波長に調整し、それを送ることで取り外したパーツを遠隔的に動かす、【プチマスィーンズ】を標準装備するケモテック社MMSならではのこの技! もともと受信装置など存在していない上、本体バッテリーから切り離された状態での残留電圧によってのみの駆動のためその動きはほんの僅かでたどたどしいですが、そのつたない動きがかえって不気味さを演出するというのがポイントとread meに記載されたこの隠し芸『ゾンビ・ハンド』! 見事それを成功させた私は得意満面でマスターさんを振り返ります。 いやあ、すでに腕部パーツが取り外されていると言うのがまさに絶好のロケーションで、 ……って、あら? マスターさんひょっとしてドン引きでいらっしゃる? 「ドン引き、と言うわけでもないのですが……」 なにやらこめかみの辺りを揉み解すような仕草をしながら、マスターさんは静かに語ります。 「人間と武装神姫は、似た様なものに見えて、やはり越えられぬ溝と言うものはあるのですかねぇ、としみじみ考えていたところです」 「むむむ、なにやら寂しい結論です、マスターさん」 そんな私の背後で、停止信号が送られないために最初の命令に従ってずーりずーりと腕部パーツがのたうって行くのを聴覚センサーが認識しています。 「……ソレ、止めてもらえません?」 「あ、失礼しました」 私はずーりずーり動く腕部パーツを拾うと、外れたままになってる接続端子に接続しました。 また気合を入れて変調信号を送信するよりも、この方が早いのです。 むむむ、しかしなにやら雰囲気が、先ほどよりも一層微妙に。 ここは、ハウリン48の宴会芸の新技を公開すべきでしょうか? 「あー、あのですね犬子さん」 と、悩んでいた私に、マスターさんのほうからお声がかかりました。 頬を軽くかきつつ、なにやら言いにくそうです。 「先ほど、犬子さんは『寂しい結論』と仰いましたが……」 「お気に障ったら申し訳ありません、武装神姫はオーナーとの隔たりを感じると落ち込むものなのです」 膝を落とし似非正座の姿勢を取ってから、深々と擬似座礼を行なう私。おそらくマスターさんからは、丸まった私のドッグテイルはよく見えないと思われるのです。 「あー、いえ、こちらこそお気に障ったら申し訳ありません」 深々と座礼をするマスターさん。そして顔を上げたマスターさんは続けます。 「先ほどの発言ですが、別に拒絶する意図ではないのです。そうやってお互いの違いを正しく認識し、相互理解に努めることが互いをより良きパートナーへと昇華させていくのだと言うあたりで一つ」 「……さすがはマスターさん、キレイにまとめましたね」 ドッグテイル、再びぶんぶんと起動。 「ご理解いただけたら幸いです」 にっこりと笑ったマスターさんは、再び頭を垂れました。 「改めまして、これからよろしくお願いいたします犬子さん」 こちらも擬似座礼でお返しします。 「こちらこそ、至らぬ武装神姫ですが、どうぞよろしくお願いいたします」 顔を上げた私たちは、どちらからともなく笑顔を浮かべるのでした。 「ですがその…アレはもう、やらなくていいですからね?」 「……はい」 こうして私の隠し芸その1は、公開初回にして封印を余儀なくされたのでした、まる。 <そのさん> <そのご> <目次>
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/365.html
オリジナル設定紹介 ドキドキハウリン本編、外伝などに登場する、この作品中のみのオリジナル設定です。 GFF 神姫以前に発売された、自律駆動型ロボットを対戦させるゲームのひとつ。 某機動戦士をモデルにしており、精密なディテールとリアルさが最大の特徴。いわば、『戦うガン○ラ』 世界観の都合上、コミュニケーションよりも純粋なロボットバトルを重視しているため、AIの人間性は薄い。 原典が2029年に放映開始五十周年を迎えたこともあり、熱狂的なファンも多い。 SRW 『全てのロボットとの対戦を』をスローガンに掲げた、自律駆動型ロボットバトルゲームのひとつ。 GFFの仕様が数社の占有状態になっているのに対し、仕様の完全オープンソース化を行うことで、多種多様なメーカーから多くの対応機種を出す事に成功している。また、GFFに対する拡張仕様も策定されているため、GFFの機体をSRWに参戦させることも出来る(逆はできない)。 世界観の都合上、コミュニケーションよりも純粋なロボットバトルを重視しているのはGFFと同じ。 オープンソース化がされていることでオリジナル武装も(技術さえあれば)簡単に作れるようになっており、それもSRWがヒットした要因の一つであるが、その自由度が装備の無秩序なインフレ化を生んでおり、現状のSRWリーグはかなり混沌とした状態にある。 また、機体サイズはSサイズ~LLサイズとある程度規定されているため、実際のスケールと異なる場合も多い。 MMS 神姫素体に使われている規格。 最初は完全な独自規格であったが、ユーザーの希望を反映してSRWとの互換仕様が策定されたため、現在はSRWやGFFの武装もバトル装備として流用できるようになっている。 バトルと同程度にコミュニケーション性も重視しているため、GFFやSRWよりも『人間くさい』AIが採用されているのが最大の特徴。 同系列の規格として、アムドライバーやAHPがある。 AHP アクションヒーロープロの通称。MMS規格の同系列商品。 頭部コアユニットに基本となる性格を持たない素体のみのシリーズで、外観はオプションとなる外装、キャラクターの性格付けはCSCのみに一任される。細かい性格付けが必要になるため、CSCを四つ付けられるようになっているのがハード上の特徴。 外装制作時の敷居が高いため神姫ほど流行ってはいないが、他のシリーズよりも自由度が高いところから、根強いファン層を持つ。 神姫と同じスケールの素体も発売しているが、武装神姫ではないため公式バトル・ランキングへの参加は出来ない。 また、フリーバトル(リアル・バーチャル問わず)への参加は可能だが、未登録機の参戦となるためランキングやポイントに影響することはない。この点を利用して、神姫のスパーリングパートナーとして使われるAHPもいる。 神姫より大きな体格を持つため、基本強度とバッテリー容量が大きくなっている。 アムドライバー MMSの同系列規格。 MMSをよりバトル寄りにしたもので、『バイザー』などの多くの支援武装を持つ。装備規格はMMSに準拠しているため、神姫が『バイザー』を使うことも可能。 少女型メカである武装神姫を持つには抵抗のある十代中盤の男性ユーザーに訴求すべく開発されたが、SRWやGFFほどの認知度を得るには至っていない。 トップ
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1127.html
{夜、二人きりで行くにはムードが無い場所だな} 夜。 午後十一時過ぎぐらいに俺はムクリと起きた。 パンツ一丁で寝てたから私服に着替え机に近寄る。 机にはアンジェラス、クリナーレ、ルーナ、パルカが充電器(クレイドル)の上でスヤスヤと寝ていた。 四人とも可愛い寝顔で寝ているのを見て俺の心に癒しが与えられる。 もうパルカなんて右手の親指をくわえて寝てる姿なんて萌え萌えで凄すぎるぜ。 そんな彼女達を起こさないように、俺は抜き足差し足で部屋を出て行こうとする。 ドアノブを左手で回し部屋を出ようとした…その時だ。 「何処に行くのですか、ご主人様?」 「…アンジェラス。起きてたのか?」 アンジェラスが机の端のギリギリ辺りで立っていた。 いつの間に起きていたんだ!? 気配を完全に殺していたぞ。 それに見つかってしまった。 任務失敗、ゲームオーバー、デストロイー。 「何処に行くのですか」 暗闇の中、真顔で言うアンジェラスはちょっと恐かった。 まるで『嘘や言い訳は言わないでください』みたいな感じで、そのつぶらな青い瞳が俺を見抜く。 ここは正直に言った方がいいなぁ。 「ちょっと、アンダーグラウンドに行こうかなぁ~って…」 「!?…何でそんな所に…」 アンジェラスの顔が曇る。 そりゃそうだろう。 俺が行く所は違法だらけのブツが売買されてる場所に行くのだから。 油断していれば、いつ襲われてもおかしくない所だ。 「私は…とてもご主人様が心配です。もし、ご主人様の身に何かあったらと思うと………」 「………」 「私は…」 今にも泣きだしそうな声で言うアンジェラス。 参ったなぁ~。 今ここで泣かれるのは困る。 クリナーレ、ルーナ、パルカを起こしてしまう可能性があるからな。 …しょうがない。 「…そんなに俺の事が心配なら一緒に来るか?」 「えっ!?」 アンジェラスは心配そうな顔から驚きの顔に変わる。 「時間も押してるし、一緒に行くか行かないか早く決めろ」 「行きます!」 今度は真剣な顔になる。 喜怒哀楽がはっきりしてるなぁ。 俺はアンジェラスを優しく右手に乗せて部屋を出る。 「あの、みんなは?」 「あいつ等も連れて行くと厄介事が起きそうになるから二人っきりで行くぞ」 「二人っきり!ご主人様と…二人っきり。夜のデート」 顔を赤くしながら何やらぶつぶつと呟くアンジェラス。 声が小さかったからよく聞こえなかった。 「アンジェラス、何か言ったか?」 「いえ!何でもないです!!」 「?…まぁいいや」 実際、アンジェラスが何を言ったかなんてどうでもよかった。 家を出て車に乗り、アンジェラスを胸ポケットに入れる。 さすがにズーっと片手運転はマズイからな。 クダラナイ事で事故とかしたくないし。 車のエンジンを掛け発進する。 夜を明るくする街灯がとても綺麗。 だがこんなの表の世界に過ぎない。 裏の世界ではヘドが出そうなくらいの汚さがあるのだからな。 これからそんなシットヘルみたいな所に行くのにアンジェラスを連れて来てよかったのだろうか…。 「ご主人様と私だけの夜のドライブ…キャー、恥ずかしいぃ」 「………」 こいつは何だか浮かれてるし。 心配をしてる身にもなってくれ。 予め車の中に置かれていた煙草をくわえ、シガーライターで火をつける。 その様子を見たアンジェラスが。 「あ!ご主人様、また煙草なんか吸っちゃってー」 「先に言っとく、運転中だから煙草を奪う行動はヤめろよ。危ねーからな」 「もう!今だけですよ!!」 アンジェラスは俺が煙草を吸う度に怒るんだから困ったもんだ。 一応、お前等が来てから煙草の本数を減らしてるんだぞ。 この前はなんて地獄を見る程の酷さだった。 あの出来事はけして忘れる事は無いだろう。 俺が煙草をきらして予備のワンカート(煙草の箱、10箱入りのやつ)を戸棚から取り出そうとしたら戸棚には無くて探すはめになり、『あれ~何処いったんだー』と探してるうちに庭から何か焼ける臭いと音が聞こえ、行ってみればそこにはアンジェラスが俺のジッポを使ってワンカートを燃やしていたんだ。 あの時の俺は怒りを通り越して絶望感に浸ってたね。 煙草を吸う以前の問題だ。 だってワンカートを一つ買うだけで三千円も取られるんだぞ! 三千円もだ! 千円札が三枚も! …ワリィ、今ちょっと取り乱した。 あの時のアンジェラスは悪魔だったなぁー。 デビルデーモンみたいな感じ? 「今、私の事を見て『悪魔だ』とか思いました?」 「別にっ」 オマケに鋭い洞察力をお持ちで。 多分、あの四人の中で一番危険で怖いのはアンジェラスではないのかと思ってしまう。 けど、こんな奴でも可愛い所はある。 武装神姫用の整備オイルを買って来てあげた時なんか、俺の右手に抱き着き、恥ずかしそうに離れて顔をポッと赤めながら両手をモジモジする。 う~ん、萌えるぜ。 出来ればその後、上目づかいで『有り難うございます、ご主人様』なんて言われたもう…。 これ以上言うとヤバイ単語がメタクソに出てくるので言わないでおこう。 胸ポケットに入ってるアンジェラスをチラッと見る。 セミロングの金髪が車のクーラーから吹かれる風で優しくなびく。 なびいた髪を右手で軽く押さえ少し顔を傾け、物思いふける表情で夜景を見つめる。 「…ゴクリ」 唾を飲み込み運転に集中した。 あまりにも可愛いすぎて…いや美少女すぎて見とれてしまったのだ。 喉を鳴らす程の…な。 そして不意に俺はこんな事を口走ってしまった。 「なぁアンジェラス、俺とお前って昔どこかで会った事ないか?」 「…え!?」 驚いた表情になり俺を見る。 え、そんなに驚く事か? ていうか、何言ってんだ俺ー!? ありえないだろう! 相手は武装神姫なんだぜ。 前に会った事があるなんて絶対に無い。 あぁ~何だか恥ずかしいなぁー。 「なんでもねー。今言った事は気にすんな」 「…はい、分かりました」 そして暫くの沈黙。 恥ずかし過ぎるのでアンジェラスの顔をまともに見る事が出来ない。 今、あいつの顔の表情はどーなってんだろう。 見たいけど見れない。 ハズィ事を言ってしまった俺はどうする事も出来ず、そのままアンダーグラウンドに着くまで運転に集中する事にした。 …。 ……。 ………。 有料駐車場に車を止め、下りる。 ここら辺は無法地帯だから路駐なかしたらパクられるのがオチだ。 煙草を胸ポケットに入れようとしたが、今はアンジェラスが胸ポケットに入っているので煙草をいれる事が出来ない。 仕方なく、俺はズボンのポケットに入れた。 「ご主人様、ここが…」 「そうだ、ここはアンダーグラウンド…まぁ所謂、悪の巣窟の街かな。どいつもこいつも悪ばっかだ」 駐車場から出て大股で歩く。 ガラの悪い連中や性風俗店の呼び込みをやる野郎どもがわんさかいる。 俺に『そこのに~ちゃん、若い子がいるよ~』とか言いながら近づいて呼び込みの男が来たがシカトする。 行く気が無い訳じゃないが、金は高いし病気を移された堪ったもんじゃないからな。 「何処に行くですんか?」 「俺が世話になってる店に行く」 「…風俗店じゃないですよね」 「あのなぁ。今はそいう気分じゃねぇーの」 「そいう気分だったら行くんですか?」 「いちいちウルセェーなぁ。俺が行く所は何でも屋みたいな所に行くの」 「そうですか、良かったです」 胸を撫でおろすアンジェラス。 全く、俺をそんなに性風俗店に行かせたくないのか? まぁどうでもいいけどね。 俺は駐車場から十分ぐらい歩いた後、小汚い一軒の店に着いた。 店の名前は『★BLACK・STAR★』という。 私的には『何が言いたいんだ?黒い星という意味は解るが、店としての名前には合わない気がする』と思う。 そんなくだらない看板をチラッと見てドアノブに右手を掛け開けた。 店の中はぐちゃぐちゃで何が商品なのかも解らないぐらいの荒れだ。 まあ、所々に品物に値段表が付いてるから少しは解るだろう。 辺り見回し店長が居ない事に気付いた俺はカウンターに置かれてある呼び鈴を鳴らした。 すると。 「んだよ~、後もう少しでクリアーできるのに、こんな時に客かよ」 カウンターの奥にあるドアから男性の愚痴が聞こえる。 予測するとテレビゲームでもやっていたんだろう。 ドアが開くとまるでヘビー級ボクサーみたい体格を持つ男が来たのだ。 頭には迷彩柄のバンダナに真っ黒いサングラスに、口の周りにヒゲを生やしている。 「ヨッ。元気にしてか、オヤッさん?」 軽々しく挨拶をする俺。 アンジェラスの奴は胸ポケットで『友達ですか?』とか言っていたが今はシカトしとこう。 「おおぉー!閃鎖じゃねぇかー!!今日は何のブツを持ってきたんだい?」 オヤッさんは俺を見た瞬間上機嫌になった。 それもそうだ。 何故なら俺はこの店に自分で作った違法改造をオヤッさんに渡し、この店で売りさばいてもらっている。 商品の値段はだいたい六桁から七桁。 売れた物の金は半分の取り分は俺で、残りの半分はオヤッさんにいき渡る。 俺じゃ、違法改造で作る事はできても、売りさばくのは無理だからなぁ。 それにオヤッさんとは、この街で唯一信頼出来る人間でもある。 因みにオヤッさんが俺に対して言った『閃鎖』というのは、この街でのニックネームみたいなものだ。 『オヤッさん』といのもニックネームだ。 この街で本名がバレルとろくな事しか起こらない。 この街の独特のしきたりと言ってもいいかな。 さて、話しをそろそろ戻そうか。 「オヤッさん、今日はブツを持って来た訳じゃねぇんだ。ちょっと情報が欲しくてよ」 「情報?どんな情報だ??ここら辺の情報ならたいてい知っているぜ」 「そいつは有り難い。実は武装神姫について聞きたいんだ」 「武装神姫かー、確かに情報はあるがお前に役立つどうか解らんぞ」 「別に構わねーよ、武装神姫の全ての情報提供してくれ。その変わり、一ヶ月前の取り分はオヤッさんが全額貰っていいからさぁ」 「その話、のった」 オヤッさんは笑いながら俺を見る。 俺もオヤッさんを見ながらニヤける。 はたから見たら密談に見えるだろう。 「あの、ご主人様。この人は?」 「おっと忘れてたぜ。オヤッさん、コイツが俺の武装神姫、アンジェラスだ」 胸ポケットから左手の手の平にアンジェラスを乗せる。 するとオヤッさんは珍しい顔をした後、ニヤニヤと笑った。 「オメェさん、いつのまに武装神姫に手を出すようになったんだ?」 「そうだなぁ、弱弐月前ぐらいかなぁ」 「ほ~う、こいつはまた面白い組合せだな。捻くれ者の性格をしていて武装神姫関係の違法改造武器を店に提供するオーナーに優しそうな天使型の神姫か…。アンジェラスとか言ったな、こいつにはドーピングや違法改造武器を使用させてないのか?」 「あぁ。こいつ等にはそいう類いな物は使わせないよにするつもりだ。特にドーピングなんか使った瞬間、その神姫はメタクソに強くなる代わりに何回かで絶対ブッ壊れる、と聞くぜ」 「ドーピングなんかまだいい方だ。これを見てみぃ」 店員のカウンター方から物凄く大きく長細い鞄を持ち出してきた。 ていうか棺桶に見える。 オヤッさんがその棺桶みたいな鞄を開けると中身は武装神姫の天使型が裸で横たわっていた。 身長は160cm前後。 人間サイズだ。 俺は見た瞬間、こいつが何に使われるかすぐに解った。 所謂、セックスドールていうやつだ。 「こいつはどうやって手に入れたんだ?」 「まぁーそこらは辺は色々あるわけよ」 「言えねぇーか…まぁどうでもいいけどね。で、こいつの使い方は?」 「なんだ、お前、使いたいのか?」 「まっさかー。んなわけねぇーよ。ただ、こいつはどのようなプログラムされているのか気になってな」 「そいう事かい。いいぜ教えてやるよ」 オヤッさんからの話を簡単にするとこうだ。 まず、母体となる武装神姫をこいつの腹に付いてるハッチを開け、その中にいれる。 ハッチを閉め、起動させると母体となってる武装神姫の人格で起動するのだ。 まぁその後は誰でも予想出来る『お楽しみタイム』だ。 噂によると膣のしまりは女の人間より良く、気持ちいいらしい。 バリエーションも豊富で幼児体系やセクシー体系でも何でも出来る。 そこがこの人形の利点らしいが。 こいつにはちょっとした欠点がある。 いくら人間そっくりに作られているからって所詮人形。 何回も使えばブッ壊れる。 あぁ~この場合のブッ壊れるはヤッた回数でアソコが壊れるのではなく、母体となっている武装神姫そのものを示している。 つまりだ、中に入ってる神姫はこのセックスドールのプログラムとの相性が悪く神姫自体のプログラムが破壊されてしまうのだ。 破壊の理由はこうだ。 このセックスドールに入り起動させたら最後、入ってしまった神姫は快楽とい名のプログラムがセックスドールから流れ込み神姫のプログラムに身体の隅々まで入り込まれ、神姫としてのプログラムを次々に破壊していくのだ。 しかも時間を掛けてじっくりじっくりとな。 一種のコンピューターウイルスと言ってもいい。 で、壊れてしまった場合はハッチを開け神姫を取り出し、また新たな神姫を入れる。 その繰り返し。 エンドロールって訳だ。 しかもこの商売は結構儲かってるらしい。 ケッ! 反吐が出るような商売だぜ。 アンジェラスの奴なんかあまりにも酷な話だと思ったのか、途中で口を手で押さえ必死に気持ち悪いの堪えていた。 まぁ自分の同胞がそんなヤクチュウみたいになるのは嫌なのだろうよ。 解らなくもない。 人間でいえば親友が薬物で死んだ時のショックと似たようなもの。 やっぱり、こいつは連れて来るんじゃなかったかもな。 そろそろこの話を終わりにするか。 アンジェラスのためにも。 「オヤッさん、この商品を売るつもりか?」 「いや、こいつは売らねーなぁ。それに預かり物だ。売ったら怒られちまうよ」 「預かり物?」 「そうだ。そのうちこいつを持っていく業者が来て、俺が預かった期間分の金がそいつらから貰え得る寸法さぁ」 「やっぱ、金がらみか。オヤッさんらしいぜ」 「だはははーーーー!!!!ちげえねぇー!」 「で、話を戻すけど、他の武装神姫の情報は無いのか?」 「無い!」 「ちょっ!おまっ!?」 「悪いな、マジで今は武装神姫関係の新しい情報はこれしか無いんだ」 本当になさそうだ。 オヤッさんの顔で察しがつく。 オヤッさんとは結構長い付き合いだからなぁ。 「情報が無いなら、俺は帰るよ。また何か情報が入り次第、連絡してくれや」 「そのぐらい事はしてやるよ」 「よろしく頼むぜ。またなー」 「おうよ」 店から出て自分の車を止めてる駐車場に足を向ける。 「アンジェラス、大丈夫か?」 「はい、大丈夫です。ご主人様」 「やっぱ、お前を連れた来たのは失敗だと思うんだよなぁ~。嫌な事を聞いちまって気分悪いだろ?」 「えぇ…。でも事実ですから仕方ないです」 「仕方ない…かぁ…」 胸ポケットに入ってるアンジェラスから視線を外し、濁った空を見上げる。 相変わらず環境をブチ壊すような煙が店の排気口から出ていて、せっかく月が出ているというのによく見えない。 そして何故かアンジェラスが言った『仕方ない』という言葉が俺の頭の中に刻み込まれる。 こ~う、なんて言えばいいのかな。 何か自分が出来る事があるかな、みたいな感じ? 良く解らないがそんな感じだ。 案外、このモヤモヤは次にオヤッさんと会った時に解るかもな。 「ご主人様~早く帰りましょー。夜更かしはいけませんよ」 「あのなぁ、もう午前四時だっつーの。今日が昨日で明日が今日になっちまったの」 「だから一刻でもいいから帰りましょう」 「はいはい、解ったよ。帰ればいいんだろう」 「『はい』は一回ですよ。前にも言ったように、ご主人様は言葉使いが乱暴で―――」 クドクドとアンジェラスの説教が始まったので、俺は聞いてるフリしながら駐車場に向かった。 因みに『乱暴で』の後は何言ってるのかさっぱり頭に入ってなかったので、家に帰り寝ようとベットに入ろうとしたらアンジェラスに『何を言ったか言いなさい』と言われてしまい困った。 嘘をつけばその場はすぐに流すことができるが、相手はアンジェラス。 何故か俺が嘘ついてるのかが分かって、嘘だと分かった瞬間すぐさま俺の所に来てクドクドと説教が始まる。 それでもバックレルようとすると、パルカのお気に入りのモアイ像を俺に目掛けて投げつけてくるのだ。 だから今日は正直に『聞いてなかった』と言ったら…ニコヤカに笑いながらモアイ像を投げつけられた。 結局、こうなる運命なのね。